内容説明
「人間は何度も何度もこの世に生まれてくることはできない。この大切な一生を、何の願も立てずに空しく過ごしてしまうということは、まことにもったいないことである」──「絶対のめでたさ」とは何か。「自己に親しむ」とはどういうことか。安直な自己肯定を戒めながらも、仏教を決して高尚なもの、多くの人の手の届かないところにあるものとはしない。時代を超えた迫力の説法。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rigmarole
5
印象度A-。歯切れがよく歯応えのある、示唆に富む本です。数多くの引用や挿話、ユニークな喩えや表現に、読んでいて愉しめる一方で、謎めいた箇所も多く考えさせられます。要諦は、自分を見つめること。そして自分は何のために生まれてきたかを見る。そのことが坐禅であり、悟りである。しかし修証一如。悟りのために坐禅をするのではなく、坐禅がすなわち悟りである。悟ろうと思って坐禅をするようでは悟れない。この逆説、禅らしい。とにかく考えていてはダメですね。まずは坐ってみようか。ただ、すべてのことを、やる。一生懸命、丁寧にやる。2018/09/25
メイロング
4
澤木さんが理想とした形とはちがう現代の禅ムーブメント。でも現代型のほうが自然で、本の中の禅はすごく窮屈そうに感じる。この窮屈さが仏教のダークサイドをいろいろ生んできたのかなとは深読みすぎ。言ってる内容の基礎は現代と変わらないんだけど、解釈や論の展開が時代を経ている。2020/12/26
中桐 伴行
3
飛行機の中で一気に読んだ。平素な言葉で禅に関する話をされた本。一昔前の講義内容なので、現代的な観点からすると差別的発言や戦争称賛的な発言もあるが、もちろん差別を意図するわけではない。その分、言葉が力強く、ダイレクトに伝わる。かといって、平易な内容ではなく、何度も読み直したくなる本であった。2021/10/09
狙撃ザクχ
1
難解だったが、面白かったです。2020/03/08