内容説明
羽田⇔台北――空港を舞台に鮮やかに浮かびあがる10の人生、そして新しい生のかたち。各紙絶賛の表題作「空港時光」と傑作エッセイ「音の彼方へ」。いま最も注目される気鋭作家の飛翔作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いたろう
68
著者初読み。日本・台湾間の国際便が発着する空港をキーにした短編10編と台湾旅行記1編。短編は、いずれも長編の冒頭部分だけで終わっているかのようで、それでいて未完で終わっているという感じはなく、不思議な余韻に満ちている。台湾生まれ、日本育ちの台湾人である著者らしく、日本と台湾にまたがる自身の思いが、作品の核になっているよう。最後の旅行記では、台湾生まれながら台北しか知らない著者が、初めて訪れる台東で、初めてなのに懐かしさを覚える感覚に、日本語で「勝手に懐かしがるな。」という言葉がこみ上げてくる場面が印象的。2018/08/05
konoha
63
「珈琲時光」という映画が好きで、タイトルと表紙に惹かれて。空港を舞台に日本人と台湾人を交互に主人公にした短編と作者のエッセイ。瑞々しいデッサンか映画のようで良かった。その中にも日本人として、台湾人としてのアイデンティティーで葛藤する痛みが伝わってくる。歴史によって言語を変えざるを得なかった親のエピソードが印象的。日本語、中国語、台湾語についても新鮮な視点で考えさせられた。最近なぜかアジアや空港を恋しく思う。そんな気持ちにこの本が合っていた。空港の無機質だけどプライベートな感じは小説と相性が良いのかも。2022/02/08
ぶんこ
59
3歳から30代半ばまで日本で暮らしている台湾人の著者が綴る短い文章に、台湾大好きと単純に思っていたのを恥じる気持ちになりました。興味のなかった台湾に始めて行った時、お年寄りの台湾人から228記念館に是非行くようにと勧められました。そして国民党への激しい呪詛の言葉も。国籍、国語、パスポート等々、普段は意識もしていない事柄ですが、頻繁に考えてしまう人々はいるということ。国際化って何だろうなどと考えてしまいましたが、著者のお人柄なのか重くはなく緩やかな読後感となりました。2019/01/16
papapapapal
46
日本と台湾をつなぐ空港での掌編10編+エッセイ。台北で生まれて幼い頃に家族で来日、台湾語混じりの中国語を話す両親のもとで育った作者が、自分のアイデンティティや日本台湾中国の関係性を見つめながら…壊れてしまわないように大切に丁寧に扱った文章の数々。ひらがなと中国語と台湾語が入り混じってて、あぁきっと温又柔さんの頭の中もこんな風なのかしら…と感じた。 知ってるようで知らなかった世界。知りたいことはまだまだあるな。2022/05/19
ちえ
46
行ったことのない台湾の空気を感じ、とても気持ち良く読了。読めも発音も出来ない台湾語や中国語に、始めはやや引っかかったが途中からそれも含め台湾の空気(私がイメージするのは沖縄でであったあの空気)が注いでいるような感じに浸る。色々なルーツ、色々な生き方の一人一人が日本と台湾とで(そして世界中)行き来したりしなかったり、そうやって生活していて、それが当たり前なんだと素直に思える。幸せな読書だった。2020/07/24
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