内容説明
不慮の事故でこの世を去った見習い料理人・工藤平次。彼は医師の息子として江戸時代に転生してしまう。家業を継ぐため、料理人の道を諦めざるを得なくなった平次だったが、池で溺れていた少女を助け、自宅で熱々の卵雑炊を振る舞ったことで事態は一変する。なんと少女は徳川第4代将軍・家綱だったのだ！ 家綱の希望で、平次は将軍付きの医師兼料理人となる。病弱な家綱の体質を改善すべく、周囲の協力を得ながら東奔西走する平次。しかしそんな中、江戸城内である事件が起きてしまう―― 悩める病弱な将軍様を料理で元気にし、平次は前世では叶わなかった夢を追いかける！ 江戸を舞台にした、とある料理人の活躍譚が開幕！
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カッパ
13
面白い。なにが？というと、設定だと思う。時代や異世界などで料理で人の気持ちを変えていく話は多い。ちなみに私はその手の話が好物である。また、技術によりという話も多い。医術であれば仁などが有名だと思う。この話は4代将軍が実は女であったという設定に転生者の元料理人が絡んでいく話である。彼女と縁が結ばれ料理で身も心も癒していく話はなかなか読み応えがある。2018/09/09
紅羽
4
料理人を目指す最中、マンホールへ落ち、江戸時代の医師の家の息子に転生した主人公。料理人への夢は捨てきれずにいながらも、医師として家業を継ぐ事を余儀なくされた主人公の前に現れたのが、池で溺れる謎の少女。やがて寒さに震える少女に振る舞った粥が主人公の運命を変えていく転生モノ。将軍が女性だったり、食文化の歴史等が盛り込まれたストーリーは良かったと思います。そこに殺人事件まで盛り込まれていくと、一杯一杯な感じですが面白かったです。2022/09/26
nishiyan
4
料理人を目指してレストランで働いていた平次が事故にあったことから徳川家綱の治世の江戸へ転生する転生もの。平次の前世での知識がふんだんに生かされており、医師の息子として生きることになったものの、料理人としての腕が落ちていないところがよい。ヒロインの綱姫はとても重い女の子なのだが、今まで背負ってきたものを考えると、自分のことを第一に考える平次に心を寄せていくのはわかるかも。web版を読んでいたのだが、私はやはり紙の方が読みやすいかな。それに新たな場面も加わって読んでいて楽しかった。次巻が楽しみ。2018/08/01
菊地
1
ヒロインの設定の作り方が面白かった。これだけでドラマになる。2018/08/30
如月魅冬
1
電子版読了。転生ものなので、現代知識からみた当時の風景や慣習の描写が秀逸。時代ものですが、口語体なのですいすい読み進めました。Web版と読み比べてみましたが、それぞれ求められるものが異なるのを作者は意識して描いていてどちらも面白いです。
