ちくま新書<br> 日本思想史の名著30

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ちくま新書
日本思想史の名著30

  • 著者名:苅部直【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2018/07発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480071590

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内容説明

千数百年におよぶ日本思想史上には、画期となる名著が多数生まれてきた。あるときは神話や物語、説話の形をとり、またあるときは歴史書・史論、社会・政治評論、そして近現代にはアカデミズムの産物として現れてきた研究書や「日本国憲法」などの法文││それらの名著群を博捜するなかから三十点を選りすぐり読み解くことで、「人間とは何か」「人間社会とは何か」という普遍的な問いに応える各時代の思考様式を明らかにする。遠い過去の思考に、現代を考えるヒントをさぐる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

28
3『日本霊異記』—不思議な道理との出会い(030頁~)。景戒撰述。修験道の開祖、呪術師、役小角(えんのおづぬ)は篤く仏教を信仰し、修行。雲を飛び回り、「諸(もろもろ)の鬼神」を操る術を身につけた(34頁)。8山崎闇斎『大和小学』—神代史にひそむ普遍(074頁~)。闇斎は、棒で机を叩きながら大声で講義した(075頁)。朱子学の理は、この一つの天地を共有する人間社会のすべてにおいて、それを支え、その規範となる原理にほかならない(078頁)。2021/04/09

さえきかずひこ

10
丸山眞男『忠誠と反逆』を紹介する項に次のような一節がある。「それは、武士と儒学の伝統的なモラルを学んだ知識人が、徳川末期・明治時代に西洋思想の受容に努めたのだから、明治期・大正期の思想を検討するさいにも、近代日本が置かれていた「歴史的条件」をふまえながら理解すべきだという判断に基づいている」(P.255)。この判断は本書著者の判断においても同様と思われる。仁斎、徂徠らを紹介する第2章、和辻、九鬼、相良亨らを紹介する第4章がとりわけ読み応えがある。該博な知識を平易なことばで紡いでゆく文体がすこぶる心地よい。2018/09/25

ゆうきなかもと

9
この手の本としては、意外に読み物として面白い! 特に面白いのは、本書245ページのこの一文。 「皮肉な言い方をすれば、戦後の日本社会において憲法九条は、教育勅語に代わる一種の国民道徳として根づいてる。」 左翼も右翼も怒りそうな一言がこの地味な一冊に遠慮もなく書かれていることに快感を感じる。2018/12/20

kenitirokikuti

7
図書館にて。気分を変えて、順番通りでなく、現代の30番からさかのぼっり、「日本国憲法」あたりから会沢正志斎『新論』まで読んだ▲日本国憲法の3つのポイント、「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」。これは法学協会編『註解日本国憲法』(1948)によるもの(宮沢義俊は含まれず)で、吉田内閣の見解は「新憲法の解説」(1946.11.3)。「徹底した民主主義の原理」「基本的人権の擁護」「戦争放棄の大原則」。この「国民主権」には、人民を統治するという行為がいまいち問われていない、とする。2021/06/01

うるの

7
うーん。個人的に日本思想全般にそこまで興味が持てない生なのか。あまりこれを読んでみよう!と思える作品に出会えず。聖徳太子や葉隠など、当時はそこまで注目されなかったのに、後からその時代の思想を作るために再解釈して取り入れられたものがある、というのがおもしろかった。そのあたりの研究本を読んでみたくなりました。あとは現代の著名な思想家について知れたので、そのあたりかなぁ。2020/09/30

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