文春文庫<br> 原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年

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文春文庫
原爆供養塔 忘れられた遺骨の70年

  • 著者名:堀川惠子【著】
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • 文藝春秋(2018/07発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167911096

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内容説明

広島平和記念公園の片隅に、土饅頭と呼ばれる原爆供養塔がある。かつて、いつも黒い服を着て清掃する「ヒロシマの大母さん」と呼ばれる佐伯敏子の姿があった。なぜ、佐伯は供養塔の守り人となったのか。また、供養塔にまつられている被爆者の遺骨は名前や住所が判明していながら、なぜ無縁仏なのか。「知ってしまった人間として、知らんふりはできんのよ」佐伯敏子の言葉を胸に取材を丹念に重ねるうちに、埋もれていた重大な新事実が判明していく──。引き取り手なき遺骨の謎を追う、もう一つのヒロシマの物語。

第47回(2016年)大宅壮一ノンフィクション賞、第15回早稲田ジャーナリズム大賞受賞作がついに文庫化! 

解説・平松洋子

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

45
亡くなった後もなお、原爆死をとげた人々は報われてこなかった。遺骨を納めた供養塔をもっと尊重しても良いはずなのに、そうはならない法律や行政の壁。それを乗り越えられたのは、佐伯さんのような当事者の献身的行動だった。97歳の生涯は、まさに原爆を過去の歴史にしてはならない、という思いを体現したのだと思う。本書のような、人々ひとりひとりの歳月を掘り起こしてくれる本はとても貴重だ。2018/08/10

piro

43
平和記念公園の片隅、原爆死没者慰霊碑の近くにある原爆供養塔。その存在を初めて知りました。読む前は慰霊碑の様なものだと勝手に思っていましたが、土饅頭とも呼ばれるその場所は引き取り手の無い死者の墓所。墓守の如く周囲を掃き清め、遺族を探し続けた佐伯敏子さんの思い、そしてその思いを受け継ぐ著者の思いに感銘を受けました。今となっては名前もわからない遺骨であっても、あの8月6日の朝までは確かにその人の名も人生もあった。その事を忘れずに、我々に何ができるのかを考え続ける事が大切なのだと思います。2024/08/22

ちゃとら

42
【図書館本】読友さんのレビューで手に取った一冊。私がこれまでに読んできた戦争の話の中で、1番重く、リアルな作品だった。20万人が殺された原爆。今だ3回目は使われていないが。ショッキングすぎて混乱中。もう少し時間をおいてから感想を書こうと思った。2024/09/21

99trough99

24
広島の平和記念公園にある「原爆供養塔」にまつわるお話は塔設置の経緯から始まる。そして、自らのすさまじい被爆経験から塔に祀られている遺骨を遺族へ返そうと動いた佐伯敏子さんの人生を追い、そして納骨名簿に名を連ねる故人を追う著者の堀川さん...。もちろん戦争反対なのですが、戦争で命を奪われた人たち一人ひとりに思いをこんなにも馳せられるなんて..、絶句しました。堀川さんや出版社の人たちが働きかけても、広島市市役所の担当が中々動いてくれなかったことも遠慮せず書いてしまっているところも印象的。2022/06/12

Shoko

23
広島平和記念公園の片隅に、土饅頭がある。人類史上初めて、核兵器の犠牲者となった死者たちが眠る原爆供養塔だ。同じ平和記念公園の中にある慰霊碑には、修学旅行で訪れたことがあるけれど、供養塔については初めて知った。ひっそりと佇む供養塔には、かつて、毎日 清掃したり、遺骨の名簿をノートに書き写す作業に勤しむ佐伯敏子さんの姿があった。膨大な数の遺骨を家族のもとへと返す。無謀とも思える難技にたった1人取り組むことを決して諦めなかった佐伯さん。「知った者は歩き続けなくてはならないのよ」→2024/02/26

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