内容説明
浅草にある老舗おもちゃ会社で働く富田宝子は、楚々として控えめな外見とは裏腹に、好きなものに対するパワーと想像力の豊かさを以て、敏腕プランナーとして活躍している。彼女は取引先のデザイナー西島に恋をしているが、5年も想いを伝えられずにいた。何の因果か次々に災難に見舞われる彼のため、持ち前の機転と自社のおもちゃを駆使しSPのごとくトラブルを解決していく宝子。けれど西島は宝子の奮闘にはまったく気がつかず?! 同僚や同居人も巻き込んで、宝子の恋が向かう先は――。ひとりの女性が大切な気持ちと向き合うまでを描く物語。/解説=松井ゆかり
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
204
『自分の心にねじを巻いてくれるのは、自分だけよ』。そんな言葉で自分自身を励まし、圧倒的な推進力としていく宝子。そんな宝子が天賦の才能とも言える発想力を武器に、推理をし、解決方法を見い出し、行動に移していく姿を描いていくこの作品。そこには宝子が人知れず孤軍奮闘する健気な姿が描かれていました。あまりにコミカルに描かれていく物語に気分が高まるこの作品。それでいて最初から最後までぐいぐい読ませる圧倒的な推進力に舌を巻くこの作品。私が柚木麻子さんという作家さんに期待する全てがここにある!まさに、傑作だと思いました。2024/03/29
SJW
137
老舗おもちゃ会社に勤めるヒットメーカーのプランナー 富田宝子は、取引先のデザイナー西島に5年も片想いをしていて気持ちを伝えられない。西島の周りで起こる様々な事件を宝子が解決していくが、自分で心にねじを巻き続けることに気がつくと意外な展開となる女同士の友情と片想いがテーマの恋愛・日常ミステリー小説。ドラマ「ロングバケーション」を意識して、隅田川から話が始まりロンドンで終わるが、実際のドラマではボストンで終わるはず。2020/09/02
hit4papa
132
おもちゃ会社の名プランナーの女子が、片想いの冴えないデザイナーのために様々な問題を解決する連作短編集です。これぞ「片想い探偵」!となる、著者には珍しいミステリ仕立て。次々に降りかかる片想いの彼のピンチを救うのは、主人公の独創的なアイディア。周知の五年に渡るアツい想いに気づかないのは、愛しい彼のみという、良い意味でイライラする展開です。主人公の頑張りで、果たして彼女の恋は成就するのでしょうか。デキ過ぎ女子の辿り着いた結論は!清々しくもあるラストの余韻がとっても良いのです。成長物語としても楽しめます。2021/03/31
エドワード
108
浅草にある大手玩具会社の玩具プランナー宝子は、フリーのデザイナー・西島に片想い。彼女の片想いは職場でバレバレ。みんな応援しているんだけど、結局自分が行動しなければ進まない。「自分でねじをまかなきゃ!」題名の意味がわかったよ。宝子の奮戦、犯罪を解決したり、西島の宝物を奪還したり、何かと人助けになる。スカイツリーに花やしき、浅草いいネ!東京の西南部に住んでいた私には浅草はいつも行楽地だった。企画室の遊び心を忘れない面々、美少女トリックスター玲奈にもドキッ!宝子、玲奈、西島、最後のメリーゴーラウンドがステキ。2018/07/13
いたろう
85
浅草の玩具メーカーに勤務する宝子28歳。浜松町から浅草まで、フェリーで出勤する冒頭の場面がとても印象的。商品企画でヒットメーカーの彼女だが、こと恋愛に関しては、未だ男性と付き合ったことがない超奥手。そんな彼女は絶賛片想い中。片想いの彼のために立ち回って、探偵よろしく、何故か関係ない事件を解決してしまうのが可笑しい。お仕事小説にして謎解きミステリ、そして、あまりにも純な「片想い」恋愛小説。彼女の恋の行方は? スカイツリー、浅草寺、花やしき、三社祭、サンバカーニバル、隅田川の花火大会、下町の舞台がまた魅力的。2019/01/27




