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内容説明
夏目漱石の作品を江戸の文学――読本、歌舞伎や人形浄瑠璃と、欧米文学との交点に生まれたものと捉え、比較文学の手法を用いてその関係性をひもとく。文庫化にあたり書き下ろしのコラムや、参考資料として正宗白鳥の「夏目漱石論」を付録として収載した。(『夏目漱石を江戸から読む――新しい女と古い男』改題)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
shinano
18
ふむ。江戸文芸が漱石先生にしみこんでいるのがわかる著書ではある。やや、著者の文学文芸への持論確立のための漱石先生を“出汁”に筆致する面もみえるような気もしますが。 第五、六章は、著者らしい(著者の好きなメス入れ)だと思いました。過去にちょっとだけ著者の物を読んでまして。 特に 第六章は、読んでいくと、著者と上野千鶴子女史との論争が思い出される。男女恋愛を時代風潮からの観点の差とジェンダーの時代推移の認識論なのだが、ね。2019/06/19
Gen Kato
2
漱石好き。ではあるんですが、なぜ「好き」かは説明できない。DVしてるのも不快だし。なので研究書は読み続けると思います。おもしろく読みました。2024/05/26
Sosseki
0
「江戸から」というより、「男と女」という観点から作品を論じているようで、期待外れだった。「三四郎」、「それから」は確かに、男女間の物語ではあるので、なるほどと思いながら読んだし、明暗の吉川夫人と津田ができていたというのは面白い説だったが。維新直前に生まれ、漢文学好きの漱石が英国留学を英文学学者となり、日本文学の作家になった。漱石の作品は他の明治の作家と異なり、文体を含め「時代」を超えて理解されるものが多い。江戸からの視点に期待したのだが…。2019/08/23
でろり~ん
0
江戸から、という部分がかなり薄いなあ、という感想でした。歯切れよく正直な文体で、資料に対する当たり方に信頼のおける、好きな方の著者ではありますが、擁護側に回っていた里見弴関連の本は良かった印象ですが、どっちつかずの感覚で、なぜ漱石をターゲットにしたんでしょうかね。とっても分かりやすく先人の文例をひいてきて、それでもっての結論が二段階か三段階跳んでいるような、ま、いつも通りの語り口ではありましたが。なぜ、小説のなかの人物に世間的な正当性を求めるんでしょうか。時代、ということでもなさそうに思いますけれどねえ。2019/06/22
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