集英社文庫<br> 最期(鶴見京介弁護士シリーズ)

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集英社文庫
最期(鶴見京介弁護士シリーズ)

  • 著者名:小杉健治【著】
  • 価格 ¥627(本体¥570)
  • 集英社(2018/07発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087457414

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内容説明

ホームレスの岩田貞夫は、荒川で仲間の男性を撲殺したとして逮捕されたが、無罪を主張。弁護にあたる鶴見は、被告の無実を信じ裁判に臨む。だが、裁判員のなかに、四日市で被告を知っていたという人物が現れ、身分詐称疑惑が浮上。岩田は否定するが、不審を抱いた鶴見は彼が何者かを突き止めようと、調査を始め……。そこには男が隠し続けた半世紀前の悲劇が!? 壮絶な人生を描くミステリー。

目次

第一章 裁判員指名
第二章 過去
第三章 理由
第四章 遺書

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

モルク

102
ホームレス仲間の若い男を殺した罪で逮捕された岩田は無罪を主張する。裁判員裁判となり、裁判員に選ばれた貝原は岩田の癖から、被告人に四日市の公害裁判で中心となって活躍したヒーロー船尾の面影を見つける。無罪となった後岩田に接触するも否定されてしまう。岩田の弁護人鶴見に相談し彼が何者なのか探る。そこに見えてきたものとは…ホームレスになっても身元を隠さねばならなかった男の性と真相に迫る若き弁護士鶴見。そして鶴見と蘭子、うまくいきそうだったのに蘭子はニューヨークへ。なぜ?どうなる鶴見。それは次作に持ち越しね。2022/09/27

Yosshiy

53
ホームレスによる殺人事件の裁判に裁判員として参加する事になった貝原。名前が違うものの被告人が知人の影と重なる。彼は何故名前を変え地位を捨て殺人事件の被告人となってしまったのか⁉︎弁護士(鶴見)と裁判員となった男(貝原)が被告人となった男の過去にさかのぼる。辿り着く真実真相とは…。読み終わってみてシリーズものだったと知りました(笑)しかし全然違和感はなく楽しめましたよ(かなりご都合主義な点も多々ありましたが…)期待も込めて、他の鶴見京介弁護士シリーズも探してみたいと思う。2019/03/12

えみ

49
重くて哀しい物語だった。そこまで自分を追い詰めて何故苦しまなければいけなかったのか。そこまでの罪とは何だったのか。殺して死ぬ。死んで生きる。生きて罪の重さを背負う。誰にも明かさない…頑なに口を閉ざす秘密を持つ男。一体誰がどんな言葉でその閉ざされた口を開かせるのか。どきどきしながら読んだ。四大公害病の一つ「四日市ぜんそく」を背景に公害に狂わされた多くの人生、そして裁判で取り返した青空と澄んだ空気によって救われた人々。たった一つの隠されていた真相が紐解かれたとき、罪を背負った一人の男の人生に救いの光が差す。2021/01/06

かおりん

30
貝原は裁判員に選ばれて、被告人に知人の面影を見出す。本人確認をすると否定され、かつて公害訴訟で走り回っていた船尾とは違うのか?鶴見弁護士に疑問をぶつけ、彼とともに過去を探っていく。名前を変えてホームレスになっていた船尾は事件の罪を被り、何かを隠している。公害が船尾を苦しめ、身を隠してきた。鶴見が丁寧に対応したおかげで船尾は過去と向き合い、自分を取り戻せた。複雑な糸が解けていく過程に目が話せなかった。こういう人情あふれるミステリーは好み。蘭子はニューヨークに何をしにいったの〜?気になる。2022/07/30

ぱなお

29
今作に登場した鶴見弁護士は記憶があるぞ❕と思ったら、過去に読んだ『贖罪』に登場していらしたようです。77歳のホームレスが20代の新入りホームレスを殺した事案の裁判員裁判で、裁判員として選ばれた男には、その容疑者に見覚えがあった。若かりし、地元の四日市で公害問題に悩まされていた地元民たちに勇気を与え、訴訟を起こそうと立ち上がり一緒に闘ってくれたヒーローだった。ーーー結構、推理通りに進みすぎ、というか、その推理にこれといった根拠が強くあるわけでもなく、ちょっと強引な気もしました。2021/03/10

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