日本経済新聞出版<br> プラナカン 東南アジアを動かす謎の民

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日本経済新聞出版
プラナカン 東南アジアを動かす謎の民

  • 著者名:太田泰彦【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 日経BP(2018/06発売)
  • ポイント 18pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784532176358

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内容説明

【気高い美意識の謎に満ちた氏族】
プラナカンと呼ばれる異色の民が、東南アジアの国々にいる。 ある者は貿易で巨万の富をつかむ夢を抱いて。またある者は凶作と貧困から逃げ出すために。福建や広東の華人たちは、生死をかけてマラッカ海峡の新天地を目指した。男たちはマレー半島やスマトラ島、ジャワ島の妻と所帯を持った。熱帯の日差しを浴びて生まれ育った子孫が、やがて中国でもマレーでもない、万華鏡のように色鮮やかな独自の文化を開花させていった。彼らは、華僑とも異なる存在で、アジア経済界で隠然とした勢力を誇ち、その気高い美意識を誇る氏族の素顔は、いまなお謎に包まれている。19世紀には英国の東インド会社と手を組み、香辛料貿易、スズ鉱山、ゴム栽培で商才を奮った。あるいはアヘン取引、奴隷貿易によって無尽蔵の財をなした。富を現代に継ぐ末裔は、自らの歴史を封印したまま多くを語らない。
 欧州の列強国とアジアの狭間で繁栄し、絢爛な文化を築き上げた彼らは、グローバリゼーションの波間を駆け抜ける「通商貴族」とも呼ぶべき存在だった。彼らは経済をどのように牛耳り、歴代の先人が残したその伝統を、誰が未来に渡すのか。栄華の痕跡を残すマラッカ、ペナン、シンガポールの街のほか、東南アジアの各地をめぐり、秘められたプラナカンの物語の扉を開く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Willie the Wildcat

58
SG駐在時代に奥様がニョニャ料理を学ぶなど、言葉としては身近だったが、その本質を深く探求せず帰国。”語られない”背景とその歴史部分が、該当国の”文化”ともなった感。故に”ハイブリッド”とは言い得て妙。象徴がリー・クアンユー/シェンロン親子の件。特に、プラナカン博物館開館式でのシェンロン氏の発言の意味は大きい。但しSGという観点では、ここでもラッフルズ卿。ある意味自然な流れ。プラナカンも、文化継承が今後の課題。なお、日本の大戦における負の遺産は想定範囲内も、”貢献”の件は驚きでもあり納得感もあった。 2018/10/30

エリク

26
最近急速に発展している東南アジアを陰に陽に支えている民族、プラナカン。ASEAN,シンガボール政権の誕生をはじめとし、財界、政界と世界を股にかけて活躍している彼らについて学びました。2019/11/07

Akihiro Nishio

19
来月のマレーシア出張に向けて予習。しかし、メインはシンガポールであった。プラナカンとは古い時代にアジアに住み着いた華人のことらしい。明代まで遡ると相当由緒正しいようだか、国によって定義は異なる。台湾の客家だな。様々な文化を混じり合わせたプラナカン文化がシンガポールでは新たな文化的価値を生むと考えられている。一方、マレーシアはイスラム化が強くなり、融合の文化は行き止まりらしい。最近、タイ人の友達が自分は中華系とやたらアピールするようになったのは、最近タイにプラナカンという言葉概念が入ってきたからなのか?2019/07/20

makimakimasa

9
古くは鄭和の時代、中国南部(福建、広東)の漢民族をルーツとしながら、英国海峡植民地(ペナン、マラッカ、シンガポール)を中心に現地化、マレーの言葉で「その土地で生まれた子」を意味する。宗主国と結び付いた特権的エリートが多く、リー・クアンユーはその出自を隠した。見た目は通常の華人と同じだし、定義もかなり曖昧。非華人系も含むというリー・シェンロンの新説や、華人と現地人の混血は誰でも当てはまるというプーケットの例もある。ボゴールの「チャプゴーメイ」祭に至っては何でもあり。インドネシアのプラナカンは別物認定らしい。2019/10/12

himehikage

9
雑貨くらいでしか知らなかったプラナカン。華僑と華人の区別もできていなかったのにそこにプラナカンと自称する人たちがいることを初めて知った。ASEAN結成をはじめ、東南アジアのグローバリセーションの土台には、異国の地に溶け込む中でプラナカンたちが身につけた教訓があるのだと。各国に暮らすプラナカンへのインタビューで綴る本書。最初は散発的に思えたが、後半になるほどに面白く興味深く読んだ。2019/06/22

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