内容説明
ご当地調味料にワクワク、深夜の料理のしあわせ、弁当屋で顔を覚えられていたときの恥ずかしさ、若者ファッションとの決別……。雑誌『オレンジページ』で10年以上続く連載をまとめたエッセイ集の、第三弾。大好きな料理や食のことはもちろん、愛猫・トトの成長ストーリー、時代の変化や加齢に至るまで、テーマはなにげない日常のこと、すべて。くすっと笑いつつ深く共感してしまう、毎日が愛おしくなるエッセイばかり!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
205
角田光代は、新作中心に読んでいる作家です。オレンジページのこのエッセイシリーズは初読です。オレンジページ連載だけあって、食べ物・料理の内容が多いなぁ。子猫だったアメショートトも成猫になって、少しふてぶてしくなっているかも知れません。角田光代の揚げたて熱々の天ぷらをご馳走になりたいなぁ!2018/01/05
ケイ
127
角田さんのエッセイは好きだけれど、これは読んでいるうちになんとなく視線が冷たくなってしまった。食べ物に対する共感がしにくいんだろうなあ。例えば、切り干し大根を作るのにスーパーでなく商店街を回って材料を買い込む人が、「~の素」なんかを本当に買いたいと思うかな、とか。アジアから東欧の餃子的食べ物には俄然興味が出た。タイとかの持ち帰りをビニールに入れてもらうの、あれは、食べる気をなくすと思う。カレーは自分で作るのが一番おいしいと私は常に思っている。と、とりとめのない感想になってしまった。2018/03/20
miww
109
角田さんのエッセイ2作目。日常の「明日には忘れるようなどうでもいいことを書く」に共感することばかり。そして角田さんの観察力と文章が楽しい。でろんスカートを着なれたら「帰れない私」、ラップだけを異常にケチる「そこだけケチ」子供の記憶力のよさと自分のそれの衰えを自覚した「お正月」等々、どれも楽しくてニヤニヤしながら読んだ。トトちゃんの写真が可愛くて、それについてるコメントがまた笑えた。2018/01/19
ネギっ子gen
106
22歳の頃の目標が「へらへらと笑っていられる大人になること」だった著者が、「重苦しかったり、何かを考えることを強いたりする文章は書くまい」という決意の下『オレンジページ』に連載したエッセイを収める。食の話と写真が多くて嬉しい。「世間話というもの」で書かれた話に共感。私も「世間話がつらい」派。「私は本題しか話したくないのである」。そうですよねぇ。「だから飲み会が好き」。ええ。「飲み会だと、すぐに打ち解けた本音の話になる」。そう。「全国調味料事情」にて、著者が激辛好きであることを知って、凄く!親近感が増した。2020/01/21
R
100
猫飼い以後の生活と、その時々の思ったことを流すエッセー集。語るとか、綴るとかではなく、もっと軽やかでこんなこともあったなぁ、面白かったなぁみたいな感じなんだが、読んでいて軽いけど、粗雑なそれではない文章が魅力的だった。文章にあわせて、写真が載ってるんだが、たいがいが食べ物、時折猫という感じがまた心地よくて、話と関係ない写真を強引にもってきていても鼻につかないのが素晴らしい。猫が思ったよりも寝てるという感想には、思わず頷くほど共感した。小食を気にしていることとか、気を張らない内容がよかった。2023/04/01




