内容説明
宇宙や物質の究極のなりたちを追究している物理学者が、なぜ万物の創造主としての「神」を信じられるのか? それは矛盾ではないのか? 物理学史に偉大な業績を残したコペルニクス、ガリレオ、ニュートン、アインシュタイン、ボーア、ディラック、ホーキングらが神をどう考えていたのかを手がかりに、科学者にとって神とはなにかを考える異色の一冊。しかし、この試みは「科学とは何か」という根源的な問いを考えることでもある。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
173
表題の答えははっきりとは示されないが。科学の歴史と宗教の歴史が程よくわかる。科学史の本は繰り返し読んでいたので新味は無かったけれど著者なりの視点は面白い。2019/01/07
mariya926
128
第1章で神とはなにか、聖書とはなにかで福音について分かりやすくまとめてあると思います。以前メッセージの中で「科学者が科学を突きつめると神様を信じるようになる」と聞いたことがありましたが『過去300年間に大きな業績をあげた世界中の科学者300人のうち、8割ないし9割が神を信じている』らしいです。特に有名な科学者たちが本当に神様を信じていたのかを、本人たちの言葉で証明しているので信憑性が高いです。『この宇宙が偶然できたこともまた、否定できません。しかし、そうだとしてもこの宇宙には科学法則があることは確かです』2019/01/23
まーくん
103
著者は”CP対称性の破れ”などを研究している素粒子物理学者(名大元教授)にして聖職者(終身助祭)。ビックバンの父と称されるルメートルが聖職者であったことは良く知られているが、日本にも似たような立場の方がおられるとは・・。およそ宇宙論や進化論は神の領域を侵すものとして教会や宗教家から白眼視されてきた歴史があるが、ガリレオやニュートンも神を信じ、教会を信じなかっただけのようである。科学の進展に伴い神の居場所が狭められてきているが、アインシュタインやホーキングの信じた”神”は教会の説く神とは異なるようである。2018/07/13
けんとまん1007
82
科学者だからこそ、神を信じるものがあるのではと思う。理論的に解明されていても、やはり、その先にあるものを思うと、大いなる存在を考える。それとは別に、科学の歴史の一端を垣間見たように思え、そういう点でも興味深い1冊。まだまだ、未解明なことが多いのが、この宇宙というもの。2024/03/31
trazom
66
理論物理学者であり、カトリックの助祭の資格を持つ著者こそ、この興味深いテーマを語るには最適の人材であると思ってこの本を手にしたが、書かれているのは、理科系なら誰でも知っている、コペルニクスからホーキングにいたる物理学の概説と、科学者と宗教との関りの紹介である。「科学者はなぜ神を信じるのか」という本書のタイトルに対する回答が示されていないのは、残念。1927年のソルベイ会議で、ド・ブロイ、シュレーディンガー、ハイゼンベルク、パウリ、ディラックらが「科学と神」について語り合った記録は、とても面白く読める。2018/09/16
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