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内容説明
一九四一年、日米交渉の最中に「ハル・ノート」を突きつけ、日本に対米開戦を決意させたことで知られるハルは、「国際連合の父」としてノーベル平和賞を受賞した、戦後体制の樹立者でもあった。十二年にわたり国務長官としてルーズベルト政権を支えた外交官が綴る国際政治の舞台裏。 〈解説〉須藤眞志。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
り こ む ん
23
緊張感のある、外交交渉のやらとりは、感じられたけど、全般的に物足りない…あらすじをだーっとザックリ。やってたよ的に読めてしまう。大戦当事、日本側からしか読んでないから、一応、なるほど…とは、思うけれど、いわゆるハルノートの件とか…2~3行で終わるあたり…ちょっと、中途半端な感じがしてならない。2015/01/10
とみやん📖
8
夏に読み始めたので半年近く読了までに時間がかかってしまった。 日本を対米英戦争に追い詰めたハル・ノートと、野村吉三郎駐米大使による宣戦布告の遅れと、戦前の日本史の重大事案について、先方の当事者の声を知りたくて手に取った。 回顧集の宿命だか、事実または本音が必ずしも書かれていないのかもしれない。解説にもあるとおり、日本側が考える以上に米国側はシビアに捉えていたことが分かった。ハルの国務長官としての手腕や思考、ルーズベルトとの関係性、国際連合の誕生の経緯や無条件降伏の言葉の扱いなど、興味深いことばかりだった。2022/01/14
itosan04
5
ハルって広場恐怖というか強迫性障害だったんだね。そのせいで一度も飛行機に乗ったことがなかった事が書かれている。心労で大戦末期は入院して重症だったとも。重要時期の米国の国務長官なのに個人的資質が大丈夫だったのだろうか。かなり問題ある人だったようだ。2016/10/05
大森黃馨
4
今回おやと思った箇所は一般国民は外交や政治により一層の関心を持ちがちだが軽視しがちの経済関連こそ戦争の起こる可能性を低くするといった趣旨の部分 思えば戦前期の我が国の軍人には経済的思想は事実上零であるが故にあのような歴史を辿り遂には大日本帝国の滅亡に至ってしまったのではないか更に実はこの傾向は今日も続いておりあの歴史に対する考察も不充分なままなのではないかと愚行する ハル氏は新ソ連だったというが本当にそうだろうか自分には共産主義の脅威を感じつつもその理解が不充分だったように思われる(続く) 2022/11/29
紙魚
2
日本では「ハル・ノート」で名前を残すことになったコーデル・ハルの回顧録. 話の中心は英仏独にソ連たまに伊といったヨーロッパ事情についてであり, 日本については2,3章を割いた程度しか書かれていない.途中で太平洋戦争始まっているというのにである. 中国事変についての記述もない. 結局の所, この人物にとって(そしてこの国にとって)日本を含むアジアは興味の対象ではなかったのだろう. ならば放っておいてほしかったものだ.2018/09/23