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内容説明
二人のスパイを軸に描くアメリカ現代史の闇
第二次世界大戦の勝者アメリカ。しかしソ連によるスパイ戦争には完敗していた! ケインズを手玉に取った経済学者、国際連合設立を仕切った実力官僚――。ソビエトのスパイがアメリカの政権の中枢を蝕んでいた! 大戦後の体制を形作った重要な局面で、彼らはどのような役割を果たしたのか? そしてチャーチル、トルーマンが認めざるを得なかった「敗北」とはなんだったのか? 戦後史がいま覆る!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
33
日本をして開戦決断せざるを得なかったように仕向けたハルノートや国連設立、ドイツの占領政策等を仕切った米国政府高官、実はソ連のスパイだったという衝撃の書。著者は第二次大戦時のF・ルーズベルト大統領の外交方針を批判する前任大統領フーバーの書「奪われた自由」の訳者。主張の大部分はこの書に負っていると思われるが、「奪われ~」や本書を読むと、ル大統領の共産主義に対する認識・脇の甘さが、戦後の冷戦から中国覇権主義、ロシアのウクライナ侵攻の暴挙までの災いの原因となっていると考えざるを得ない示唆に富む内容だ。2022/04/05
James Hayashi
28
よくできたスパイ小説でなく現実に起こっていた事を資料を読み解き書かれている。以前読んだ本より、ハリー・ホワイトがハルノートの作成に関わり、彼がソ連のスパイであることは知っていたが、FDRとモーゲンソー財務大臣(ホワイトは彼の右腕)の関係や彼らの無能さを知った。またブレトン=ウッズ体制もしかり。またマーシャルプランが実行される前はモーゲンソープランなるものが存在し、ドイツは困窮を極めたとのこと。これもユダヤ人であるホワイトが憎しみゆえドイツを農業国へ貶めようと画策。続く→2019/06/09
魚京童!
19
アメリカはソビエトに操られていて、ソビエトは誰に操られているんだろうね。操るというか共存じゃないの?2022/07/11
fseigojp
16
これを読むと、ゾルゲ事件の重要性も了解される2018/08/23
hdo obata
10
第二次大戦で一番利益を得たのはソ連である。ソ連に貢献したのはアメリカ政府の中枢にいた二人のスパイであった。いかに優秀なスパイとはいえ、普通の知性、感性を備えた大統領なら彼らを見ていて何かおかしいと感じるはずである。少なくともFBIに調査を依頼するであろう。ルーズベルトは一切そういうアクションはとらなかった。共産主義にあまりに無防備だった。馬鹿だったのか?膨大な援助を行い、ソ連という国家を育てたのはアメリカである。Hoover が大統領だったら世界は全然違った現代史を歩んだかもしれない。2018/08/23