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内容説明
「人は幸福になるために生きている」という考えは迷妄であり、間違いだと逆説的に説く幸福論。自分を他人と比較し、他人の評価をたえず気にすることが不幸の元凶であり、名誉、地位、財産、他人の評価に惑わされず、自分自身が本来そなえているものを育むことが幸せへの第一の鍵である説く。『読書について』の哲人が授ける、この七面倒くさい人間社会を生き抜く知恵。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
101
「好きな事を仕事にすべき」教の家族から「はなも好きな仕事をやったら?夢はないの?」と聞かれる度に「自分は人間としての喜びがないと思われているんだ。家族から落伍者だと思われているなら、他の人は・・・?」と思い込み、しんどい事がある。そんな気持ちを軽くしてくれる本です。他者や世間が作った価値観と比べ、そこに依存するからこそ、人は不幸に自らを縛り付けてしまう。「幸せになれなければならない」というのは自己実現ができるようになってからの新しい業のようなものなのかもしれません。自分の素質を如何に伸ばし、与えるかも大切2018/04/10
クプクプ
67
この本でショーペンハウアーは、「恋愛とは主観で、尊敬とは客観である。そして主観は客観に勝る」と書いてありました。私も21才の時、恋愛をしていて彼女から「クプクプ君のことを尊敬しているけど、好きというのとは違う」と言われ戸惑い、やがて別れが訪れました。今回の読書で、その時の彼女の気持ちが、具体的にわかりました。苦い読書でしたが、長年の謎が解けて、気分がスッキリしました。ボリュームたっぷりの本ですが、オススメの哲学の本です。2024/06/07
かわうそ
39
外部的な事実は自らの精神を通じなければならないのです。ということは外部的な事実は間接的な影響しか与えれられないてす。あくまでも精神という色眼鏡を通してでしか伝わらない。そのためにその色眼鏡である精神が腐っているとどんな幸福な事実も幸福の要素となり得ないと思います。地位や名誉、財産を追い求める心と現実的な事実との揺らぎが心の不快感を募らせますが、どんなに困苦を切り抜け、財産を追い求めようとも卓越した精神がなければその果ては退屈であり、不幸になります。2022/09/29
molysk
36
人生の財宝は、「その人は何者であるか」「その人は何を持っているか」「その人はいかなるイメージ、表象・印象を与えるか」の三つに規定できる。このうち、何が重要なのか。現実世界のすべてのものは、主観と客観の二つの側面から成りたっている。外界である客観は運命の手に握られて変化しうる。一方、私たち自身である主観は変化しない。よって、主観である第一の財宝が、客観である第二、第三の財宝よりも圧倒的に重要であることは明らかだ。人生の幸福にとって、その人の身におのずからそなわるものこそ、最も重要なものである。2019/09/14
みなみ
32
「幸せな生活とは何か」ということに、真正面から向き合った哲学書。健康・気質・能力・収入・妻子・友人・居所などによって規定される現実的で個人的な状態のほうが、他人に気に入られるかよりも、幸福にとって大切であるとか、当たり前のことを率直に書いてあって、納得できることが沢山あった。間違ったことが定着してしまったときの絶望感もよく分かる。2025/04/22
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