公共図書館の冒険――未来につながるヒストリー

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公共図書館の冒険――未来につながるヒストリー

  • 著者名:柳与志夫
  • 価格 ¥3,850(本体¥3,500)
  • みすず書房(2018/06発売)
  • 5/5はこどもの日!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~5/6)
  • ポイント 1,050pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784622086826
  • NDC分類:010.21

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内容説明

公共図書館は何をしてきたか、何ができるのか。装備、図書館員、貸出カウンター、出版業界など、多様なテーマから歴史を見直し、「もうひとつの」可能性を考える。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

keroppi

56
読売新聞の書評を読んで。タイトルだけ読むと「図書館戦争」みたいだが、図書館の歴史を紐解きながら、図書館の抱える課題を論じているとても真摯な本。無料貸本屋と揶揄されたり、出版界からの批判を受けたりする現状。確かにベストセラーばかり増えて、消費する図書館になってしまっては困りもので、知の蓄積体として存在してほしいとは思うのだが。まー、私もその恩恵にあずかり、いっぱい本を読んでいますけど。図書館員の出てくる小説も紹介されていて、読みたくなった。早速、図書館の予約に入れてみようかな。2018/06/06

shikada

16
日本の図書館の成り立ちから現在まで、そして今後の課題を一望できる一冊。終戦後にアメリカによって再編されたころの図書館は閉架式で、館外貸出が一般的でなかったとか、図書館に小説が入るようになって民間の「貸本屋」と競合し、やがて貸本屋は衰退していったとか、現代の図書館は日野市図書館の成功をベースに設計されているとか、図書館の歴史が知れて面白い。自分自身、図書館文化に育てられたひとりだったので、本と対話するような気分で、他人事ではなく、かなり自分ごととして読めた。2019/07/27

きゅー

15
公共図書館の歴史をたんなる編年形式ではなく、独自のトピックを設け、それを歴史的に概観することを目的とした1冊。まえがきにて、「今とは違う、別の公共図書館がありえたのではないか、それが本書を生み出す母体となった研究会メンバーの共通の思いだった」とあったので、挑戦的な公共図書館批評が読めるのかと思ったが、そうではなく比較的オーソドックスな図書館史だった。トピックはいくつか掲げられているが、いわゆる「中小レポート」による館外貸出の隆盛、貸本屋批判などを中心に概観されている。2019/03/11

やまやま

13
図書館を勉強部屋として使うことに否定的な思想があり、そこで貸出というサービスが充実することで「本来の」図書館機能が取り戻されていった、という歴史の紹介があり、ただ、貸せばいいのか、という点でも再度吟味が繰り返される。本書はコロナ前に出版されているが、電子図書館のサービスが既存の貸出構造を覆していく可能性に触れている。逆説的に過去を捉えてみれば、快適な黙考空間の提供は読書をダシにしてしか作られなかったという点が図書館のアドバンテージであり、有用な社会的装置として大いに評価されていたという説はないだろうか。2021/06/12

軍縮地球市民shinshin

13
オルタナティブ図書館史研究会のメンバーが著した近代公共図書館史の読み直し。この歴史研究の目的は明らかで「あすの図書館のため」そして「利用者のため」だろうか。まぁ一応図書館史については勉強しているので、史実的にはそれほど斬新とは言えないが、視点が面白い。戦後「中小レポート」や「市民の図書館」で構築された「貸出絶対主義」の批判と受け取っても良いだろうか。TRCやTSUTAYAの指定管理者の浸透により、図書館がワーキングプアの温床になっている。図書館員の「専門性」を考えるに際しては本書は有効な「参考図書」になる2019/02/18

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