内容説明
どうせなら笑って旅立とうじゃあないか! 世界に先駆けた遅老遅死の老人国・日本には「笑い」で死を乗り越えんとする江戸時代以来の「粋な」葬送文化があり、その系譜は新しい葬儀のかたちとして現代に息づく。気鋭の老人学者が新しい「死に方の哲学」を提示。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yuko
6
葬式から死を考える。 老いと死を抱えて、人間がどう生き、死んでいくかのカギとなるのは “笑い” 「死に臨んでの笑い」をテーマとし、「ボケて死ぬ」のではなく「死ぬ前にボケをかます」(p4)との著者の目論見通り、真面目でそして笑える一冊。 日本における生前葬の歴史は極めて長く「逆修」と呼ばれて古くから行われていた葬儀の形だそうだ。 Newly Wed! もとい Newly Dead! ならぬ Nearly Dead! (So What?) (p150) 2018/11/06
舟江
5
久振りに読みごたえのある本に当たった。シニア世代の方、全員に読んで欲しい。第1章は、鶴屋南北の葬儀が書かれており、時代のギャップからか素直に受け止められなかった。しかし「シニア期とは逆境に出会う時期である。逆境に出会わない事が幸福なのではなく、逆境を乗り越える能力を身につけておくことで、幸せになれる。」2018/08/26
Amy
3
ところさんの番組で紹介されていたお葬式にまつわる色々が書かれている。スペースシャトルで打ち上げられる宇宙葬、バルーン宇宙葬なども紹介さえており、興味深い。2021/01/10
Inzaghico
3
第3章「死のショーアップ」では、国内外の著名人がセルフ・プロデュースした葬式のあれこれを紹介している。時間にルーズなことで有名だったエリザベス・テイラーは、自分の葬式も15分遅れだったそうだ(笑)。これはもちろんテイラーの指示だった。そして、立川談志は自分で「立川雲黒斎家元勝手居士」(よい子の皆さんは声に出して読まないように)とつけ、葬儀時に流す音楽はジャズの『That's a Plenty』を指定した。 2018/08/30
みのにゃー
3
すごい葬式=すごくお金をかける葬式、ではない。自分で自分の葬式をプロデュースする、わくわく。ウェディングプランナーみたいにエンディングプランナーも一般的になるかも。「”何で死んだ”や”死なないで欲しかった”よりも ”お前といて楽しかった”」と思ってもらえたら。後は火葬でなく土に還れたら幸せだなぁと思った。2018/08/12