新潮文庫<br> ぬるい毒(新潮文庫)

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新潮文庫
ぬるい毒(新潮文庫)

  • 著者名:本谷有希子【著】
  • 価格 ¥440(本体¥400)
  • 新潮社(2018/06発売)
  • 真夏も楽しく!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/2)
  • ポイント 120pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101371733

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内容説明

あの夜、同級生と思しき見知らぬ男の電話を受けた時から、私の戦いは始まった。魅力の塊のような彼は、説得力漲る嘘をつき、愉しげに人の感情を弄ぶ。自意識をずたずたにされながらも、私はやがて彼と関係を持つ。恋愛に夢中なただの女だと誤解させ続けるために。最後の最後に、私が彼を欺くその日まで──。一人の女の子の、十九歳から五年にわたる奇妙な闘争の物語。渾身の異色作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

424
いつの間にか本谷有希子さんの小説も7冊目に。この人は変幻自在というか、読むたびに違う小説作法で挑んでくるかのようだ。今回のこれは、自意識がどこまでも増殖していった果てに、自己崩壊もしくは自己撞着に結実したような小説。語り手である「私」(客体化すれば熊田さん)には、もどかし過ぎて共感することはできない。また、当然のことながら向伊にも。そして、読んでいる途中はひたすらに不愉快な感じが付き纏って離れない。淡々とした結末はまだしも救いであるかのような気もする。本谷有希子がこれからどこに向うのかは、大いに謎である。2018/06/24

さてさて

163
『それを読んだ直後、生ぬるい水が体の内側から滲み出すような感覚に打たれて、私はしばらくものを考えることもできなかった』。そんな思いを向伊から届いたメールに抱く主人公の熊田。この作品には、熊田がなんともおかしなきっかけの先にそんな向伊と付き合うようになった先の物語が描かれていました。向伊の言葉や行動の一つひとつにムカつきを抑えられなくなるこの作品。そんな向伊に付き従う熊田の気持ちが全くもって理解できないこの作品。表紙の印象そのままに、最初から最後までとにかく不快感しかない!もう二度と読みたくない作品でした。2026/07/14

ゴンゾウ@新潮部

121
まさしく題名の通りぬるい毒に侵されながら身動きが取れなくなるような作品だった。妖艶なもの、怪しいもの、危険なものとわかっていながらそれに触れた時の快感が忘れられなくて行く感覚がある。向伊の毒牙にかかったようにみせかけて最後に痛烈なダメージを与えてすり抜けた熊田にもぬるい毒があったと言うことなのか。ふたりの緊張感のある心理戦に疲れたが読み応え充分の作品だった。2015/04/25

りゅう☆

96
学生時代の知人という向伊からいきなり怪しい内容の電話がきた。不信に思いながらも向伊に会いに行く熊田。次に連絡きたのは1年後だが、徐々に2人の距離が時間をかけてゆっくり縮まる。向伊の嘘を知りつつ、手のひらで踊らされてるのはあなたの方なのよ、いつかは欺いてあげるわってな感じだけど、向伊にこれほどまで執着するって恋じゃないの?でも本谷さん曰はく恋じゃないんだそう。熊田の妄想についていけず、明らかに嘘をつき続ける向伊の勝手さに嫌悪感あるし、嘘をついてくれと願い、その嘘と付き合う熊田にも全く共感できないまま読了。2018/02/24

hit4papa

94
支配される女は、支配されるていで、斜めから支配する男を観察するというめんどくさい話です。一年毎に連絡をしてくる男の奇妙なアプローチによって、愛というにはほど遠い歪んだ感情で言うがままになってしまう主人公。主人公の態度と内面の乖離のあらわし方が絶妙すぎて、思わず著者の人物像と重ね合わせてしまいます。男に対して絶対的な嘘を求める主人公の心の動きは、タイトルの”ぬるい”を意味しているのでしょうか。酷い言葉が発せられたはずのシーンはストレートに書き表されていないのですが、味があるというよりストレスがたまりました。2018/10/10

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