内容説明
「千駄ケ谷の小父さん」と、敬愛の念を抱いて訪ねてくる後輩役者や竹野記者が持ち込む、様々な謎を解いてみせる老歌舞伎俳優・中村雅楽。長い人生経験、舞台経験に裏打ちされた老優の推理力は、その芸に劣らず一流で、歌舞伎の世界で起る難問を芸道指南よろしく、鮮やかにそして優雅に解決していく。歌舞伎座で迷子になった、能楽師の一人息子が巻き込まれた事件を描く「劇場の迷子」をはじめ、女形と舞踊家の弟子との恋模様にまつわる「家元の女弟子」、著者最晩年の作品「演劇史異聞」に加え、単行本未収録作「元天才少女」「留め男」「むかしの弟子」など滋味ある謎解き全28編。【収録作】「日曜日のアリバイ」/「灰」/「元天才少女」/「なつかしい旧悪」/「祖母の秘密」/「弁当の照焼」/「銀ブラ」/「不正行為」/「写真の若武者」/「機嫌の悪い役」/「いつものボックス」/「劇場の迷子」/「必死の声」/「芸談の実験」/「かなしい御曹司」/「家元の女弟子」/「京美人の顔」/「女形の愛人」/「一日がわり」/「荒療治」/「市松の絆纏」/「二つの縁談」/「おとむじり」/「油絵の美少女」/「赤いネクタイ」/「留め男」/「むかしの弟子」/「演劇史異聞」/講談社版『劇場の迷子』 後記=戸板康二/創元推理文庫版編者解題=日下三蔵
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
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3
歌舞伎界で起る難問を、長い舞台経験に裏打ちされた芸道指南よろしく、鮮やかに粋に解決する老優・中村雅楽。歌舞伎座で迷子になった能楽師の一人息子が巻き込まれた事件の顛末を描く「劇場の迷子」、女形と舞踊家の弟子との恋模様にまつわる「家元の女弟子」といった名編に、単行本未収録作3編、著者晩年の「演劇史異聞」など滋味豊かな28編を収録。中村雅楽探偵全集第4巻。
しんこい
2
探偵小説といっても殺人とかは全くありません、むしろ人情小説みたいな。それがむしろ好ましい感じ。なつかしい旧悪が好み。2010/08/07
rbyawa
1
j062、中村雅楽という歌舞伎役者を探偵役にして演劇記者(歌舞伎記者かな?)の人を語り部にした推理小説…探偵小説って呼ぶのかな?(江戸川乱歩に誘われて書くことにしたそうで) シリーズと知らずに予約した本が4冊めだったので解説でその辺が正確に読めてないんですがまあ、日常の謎編だったのでそんなに詳細は重要でもないかな。演劇業界の「人の弟子にははっきり口出しない」という慣習のためトンチを効かせた伝え方をするなどという話は…わかるはわかるんだけど鮮やかな読後感でもないかなぁ、演技のコツ、日常の謎みたいな話は好き。2019/06/07
陶子
1
中村雅楽、探偵小説、楽しく読みました。歌舞伎の演目について、面白かった。2019/02/24
Gen Kato
1
再読。設定もオチのつけかたも、もはや推理小説ではなく、「ちょっといい話」集といったほうがいいかも(笑)ですが、『祖母の秘密』や『銀ブラ』などのオチ、これぞ戸板康二流といった感じで実にいいですね。2013/12/17




