内容説明
「精神現象に疾患が存在する」ことは当然の事実なのか? 環境との相互作用の中で機能不全を呈するようになった心理状態は,はたして疾患なのだろうか。
本書では, 40年にわたり精神科診断学の研究に携わる著者が,心理状態の正常・異常を区分する根拠を探り,心理状態の病理性の確認方法や診断方法の弊害について考察する。疾患ではないが心理的不調を抱えた人々を個としての尊厳を守りつつ援助するという本当の精神科医療を追求すべく,今,精神科診断について改めて批判的考察を投げかける。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Asakura Arata
2
操作的診断基準に傾倒し過ぎの現在の精神科診断に警鐘を鳴らす書。あくまで暫定的なものだと言うことをみんな忘れている。その人の人生をカテゴリわけできないように、精神科診断も白黒つけられるものではない。疾患ということで言えば、神経発達症は、疾患ではないと思っている。2018/08/05
差
1
つまり精神が有体物じゃないってことが問題だ。病気っぽい病気じゃないっぽいとしか言えないならそこに病気はあるのか。確かにこの人は間違いなく何か別のものを持ってると言える場合もあるがそれは少数だ。2024/08/15




