講談社現代新書<br> 宗教VS.国家 フランス<政教分離>と市民の誕生

個数:1
紙書籍版価格
¥792
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

講談社現代新書
宗教VS.国家 フランス<政教分離>と市民の誕生

  • 著者名:工藤庸子【著】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 講談社(2018/06発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784061498747

ファイル: /

内容説明

共和国はなぜ十字架を排除したのか? 権力をめぐって対峙するカトリック教会と<共和派>の狭間で、一般市民は、聖職者は、女性たちは何を考え、どう行動したか。『レ・ミゼラブル』などの小説や歴史学文献を読み解きながら、市民社会の成熟してゆくさまを目に見える風景として描き出す。

目次

第1章 ヴィクトル・ユゴーを読みながら
第2章 制度と信仰
第3章 「共和政」を体現した男
第4章 カトリック教会は共和国の敵か

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

belier

5
最後になって触れられる「スカーフ禁止法」。知識がまったくないままイスラム教に不寛容と思っていたが、政教分離という意味の「ライシテ」は、カトリックとの対決から確立したものという話。著者はその説明に、ユゴー『レ・ミゼラブル』から始め、”共和政を体現した男”の演説を多く引用し、ドレフュス事件や、ルルドを書いたゾラの作品というのも出してきた。薄い本だが話題は広がっている。印象的だったのは、十字架を教室から運び出した記憶があるから、スカーフ排除も政治的に正しいとフランス人は考えるという部分。反論も紹介されている。2024/09/03

うたまる

2
「政教分離に伴う課題は、宗教を弾圧することでもなく、国民の教会離れを促進することでもなく、じつはキリスト教信仰に代わるものを共和国が発明することにあった」……魅力的なタイトルだが、実はフランスに限った話。だからかなり限定的、特殊的、観念的。当然ながらアイデアはその国の歴史の影響を受けるので、王政と共和政の間を行きつ戻りつしながら”ライシテ”というフランス流政教分離として結実することになった。市民、道徳、尊厳などと併せ、これはフランスの勝ち得た誇るべき成果なんだけど、彼らの嫌った教条的な宗教臭も残っている。2018/01/02

yagian

2
フランス文学者である著者が、19世紀フランスにおける「ライシテ」「共和制」成立の過程を、文学作品を通して考察する。これらの概念、制度の解説の多くが「できあがったもの」として説明するが、実際には歴史的な産物であり、それゆえ、アメリカ、イギリス、ドイツの民主主義政体と宗教の関係と異なるフランス独自のものであることがわかる。イスラームとライシテの関係が問題化してるが、両者ともに歴史的に変化しうる、ということだと思う。それが、厳しく険しい道であっても。2016/02/07

seimiya

2
フランスの政教分離について文学作品や政治家の演説を引用しながら考察している。レミゼラブルを読んでも宗教的な背景が理解できなくてモヤモヤしていたのだけど、本書によって少しだけ解消した。なかなか複雑な構図。人権宣言のポスターに修道女マザーテレサの写真。ヨーロッパ人からすると違和感のある組み合わせらしい。一つの宗教が国教だと他宗教の信者の権利を抑圧する。だから国政と宗教は切り離す。そうすることで全ての人々の権利を平等に保障する。宗教を切り離すことで勝ち取った権利。2013/02/08

H2A

2
政教分離を表すライシテがフランス社会でどう定着していったか。歴史書の他に当時の文学や演説を引用している。女性とカトリック、コングレガシオンというサブテーマも重なる。感情的になりやすいテーマ立てにもかかわらず、意外に冷静なスタンスを貫いていて貴重。地味だが良い企画である。2012/09/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/488940
  • ご注意事項

最近チェックした商品