文春e-book<br> 辺境の思想 日本と香港から考える

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文春e-book
辺境の思想 日本と香港から考える

  • 著者名:福嶋亮大/張イクマン
  • 価格 ¥1,629(本体¥1,481)
  • 文藝春秋(2018/06発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784163908304

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内容説明

頼れる確かなものが失われた中心なき世界。
自由と民主が揺らぐカオスな時代。
未来への道は辺境にある――。

2011年3月の東日本大震災、2014年9月の雨傘運動。
日本と香港。
大きな転機を迎えた2つの「辺境」から未来へのヒントを探る、
往復書簡の記録。

【目次】
第1回 辺境(ホンコン)から辺境(ニホン)へ
第2回 言葉と民主主義
第3回 念じれば響く――都会のある祭りの灯
第4回 辺境の2つの顔
第5回 過去の辺境、未来の中心
第6回 香港――渦巻状の交通路
第7回 刻々と変化する文化速度
第8回 日本にとってサブカルチャーとは何か
第9回 話したいことが無数にあるようだけれど、残念ながら私には分からない
第10回 「きれい」は「きたない」――列島の周縁から
第11回 光と影の辺境文化――都会・映画・中国ナショナリズム
第12回 ナショナリズムから都市的アジア主義へ
第13回 真・自由の彼方へ
第14回 近代を広げ、豆を育てる

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

踊る猫

26
改めて読み返すと、もちろんここまでアカデミックな意味で「濃い」往復書簡をトーシロの私が読みこなせるわけもないのだけれど、見えてくることとして「コミュニケーション」「対話」が重要な要素として見直されているように思う。彼らが互いの文化に対して常に敬意を払い、相手の書簡から学びそして自分の思いを腹蔵なく伝える。その敬意に満ちたやり取りは清々しく、文化の壁を超えた対話の可能性を知らしめる。香港は日本と比べて相対的に親しい/近しい存在だが、ゆえに近すぎて見えなかったことがあるのではないか。その盲点を丁寧に伝える好著2023/01/01

踊る猫

24
日本に居てはなかなか(なぜかはわからないが)聞けない香港及び「辺境」の国々の文化と歴史と政治。それをざっくばらんに明かしてくれる本書はなかなかの好著だ。安倍内閣や香港の政治に対する「リベラル」の側からの批判も読めるし、時の人となった周庭にも言及されていてドキュメンタリーとしても読める。知識人ふたりの手紙なので一般読者を置いてけぼりにするところが鼻につかないでもないが、それでも「これから」先の見えない日本と香港がどう進むべきか、過去から照射して表してくれている本であるとは思う。両国の友好がもたらされますよう2020/08/15

y_nagaura

12
過去に『日本辺境論』を読んだことから、「辺境」のワードが気になり手に取る。香港を媒介とし、「辺境」を相対化することで見えてくる地平。また、現在は世界の中心であるかのようなかの国もまた辺境であった。中心なき今、必要なのは辺境同士を比較すること。ポピュリズムはたいてい、「現実を見ない、高邁な理念や世界観に囚われたエリート」の失敗によって発生する。 「民主主義の内なる敵」としてのポピュリズム(ツヴェタン・トドロフ) 刺激を受ける部分が多かったが、多すぎて書ききれない…。また折を見て読み直したい一冊。2018/08/13

ののまる

11
雨傘運動前後での香港の変化が、リアルにわかった。2018/08/16

TA

3
中心たるモデルが失われた現代で、地理的あるいは精神的に辺境である日本と香港について書かれている。読んでいて思ったのは、中心と認識される国家や都市にも辺境性は存在していて、故に自主性が重要だということ。都市論的な言及は面白かった。明治維新や戦後復興といった状況で、ヨーロッパやアメリカをモデルに設定して発展してきた日本は難しい状況にあるが、都市間の模倣を通して都市像をアップデートしていけばいいんじゃないかいうのはなるほどなと思いました。2019/09/23

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