内容説明
あなたの苦しみに寄り添う言葉がある。やり場のない後悔と向き合い、前を向いて歩くために。注目の哲学者による「眠れぬ夜」を乗り越える講義。
「はじめに」より―
過去をやり直すことができないとしたら、なぜ人はこんなに過去を思い悩み、後悔するのか。
この本は、過去と和解することが可能かどうか、そしてもし可能であれば、どうすると和解できるのかを思案する本なのである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
読書熊
8
過去を償う、忘却する、過去を復習する。どれでもない形で、過去と向き合えるのか。回り道をしながら、自分なりに過去を消化するための言葉を拾えます。ポジティブ系メンタル本では全然前向きになれない方は、新しい視点を得られると思います。2018/04/07
ATS
7
☆☆☆半分も読み進められなかった。体系だてて書かれておらず、エッセイみたいな感じ。よくある感じの筆者の独りよがりの文章かなぁと(笑)ぜんぜんなにが言いたいのかわからなかった。2018/08/21
たけ
4
哲学の背景知識があったほうがもっと深く楽しめたんだろうなぁと思いつつ、過去とは何で、過去とどう和解するのかという視点ははじめて与えられた。答えがないことが答えというのがなんとまぁ哲学らしいオチだが、それでも救いになるかもしれない本だと思う。「過去と和解するということは、天使ではない存在者としての人間の地位にとどまり、過去・現在・未来という時間の中で、過去が現在の源流・起源であることを認識し、受け止めることなのである。」好き。2018/05/03
ペンギン伊予守
4
今、これほど読み手の心に沁みる文章が書ける哲学者がどれほどいるだろうか、そう思わずにはおれないのは技術なのか知性なのか経験なのか個性なのか、いずれにせよ優れた倫理学の書である。2018/04/14
秋津
4
現在を生きる「私」にとって、戻ることも修正することもできず自身を苦しめる「過去」とどう向き合うのか。 自分の中に宿ったハビトゥス(心の習慣)を力とし、「未来に向かって、背中を向けて、後ずさりしながら進むしか方法は与えられていない」(第五章)「私」にとってのオリジナルの答えを模索し続け、過去、そして自分と「和解」することにより、過去・現在・未来の中で人間として在ることを認識できるのではないかということ。 読んで何かが「解決した!」となる本ではないものの、大変熱く、衝撃的な本でした。文章もどこか詩的な感じ。2018/04/07