内容説明
二〇二二年十二月十一日。その日、一九五七年の旧ソ連・スプートニク計画に端を発した人類の人工衛星の歴史は唐突に中断した。『宇宙』と『夢』を巡る感動巨編スタート!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
62
引きこもりの少女を救うため、運命に抗う少年の姿を描いた感動巨編ここに開幕。ライトノベルだけどライトノベルじゃない。この興奮と感動を少しでも多くの人と共有したい。そう思える作品に出会ってしまった。こんなにも心を揺さぶられ、胸熱くなったのはきっと自分も夢を忘れてしまったから。だからこそコスパを重視し、夢を忘れた主人公が我武者羅になって運命に抗う姿に感動し、彼が放つ輝きにやられてしまったんだろう。何かに挑戦すること。それはとても素敵なことなんだ。全ての人に読んでもらいたい1冊です。2018/05/25
ami*15
55
自分が思い描いていた“夢”とは何だったのだろう。「夢なんてものは九十九パーセントが叶わない」そう言って夢から逃げる大地のネガティブな発言も今となってはわからなくもないなと思いつつ、そういう私も「どうせ何をしたって自分の夢なんて叶うわけがない」と思って小学校の卒業文集に書いた夢から逃げてしまったことを思い出した。夢に関して共感できる台詞も多かったですが、星乃がなぜ引きこもるようになってしまったのか、また彼女が「地球人は嫌い」と口にした理由に関しては現代特有の恐怖からの痛みが苦しいくらいに伝わってきました。→2018/06/07
よっち
55
ほぼ全ての人工衛星が落下した大流星群から三年。たった一人の犠牲者・天野河星乃を救うため、全てを諦めかけていた平野大地が希望を見出し運命に抗う物語。宇宙飛行士だった両親の夢を追いかけていた星乃。コスパ重視だった人生も彼女を失いやる気をなくしていた大地。希望を見出すものの思うようにうまく行かなくて、それでも大切なものを取り戻すという熱い決意を胸に、危機になりふり構わず奔走して、醒めていた大地自身もまた変わってゆく展開はテンポも良くて、変化したことがこれからどう影響していくのか、非常に楽しみな新シリーズですね。2018/05/23
もも
54
発売前から話題になっていたようで、気になって購入。最初は亡き友人の影を追い続ける大地の姿が切なくて読み進めるのに辛いものがありましたが、そこを抜ければ一気でした。まだまだ序盤って感じでしたが、この物語がすごく面白いってことはよく分かりましたね。特に終章があたたかくて、それにワクワクしました。人に傷つけられ、自身も人を傷つけてしまった、「地球人は嫌い」な星乃。それでも新たな一歩を踏み出した彼女と彼女を助けようと走る大地のこれからがとても楽しみになりました。はじめはよく解らなかった『A×C=P』の意味が素敵。2018/06/23
むっきゅー
50
自分自身を振り返ってみて、痛い所をつかれたなーと思いました。主人公の大地の考え方が、要領よくコスパ重視で無難に生きていくタイプ。「夢が足りない」の言葉どおり。嫌な部分で主人公に自分を投影して読んでしまいました。本作、いわゆる過去改変もので、宇宙で死んだ大切な女性を救うため、彼女と初めて出会った高校生の頃にタイムスリップして、人生をやり直す話。伏線も多く、物語の全容はまだハッキリしませんが、面白かった。期待のシリーズですね。2018/06/23