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内容説明
三国志の英雄は全員悪人!?
気鋭の歴史学者が歴史学の知見をふまえて、これまでの常識をくつがえす!
小説、映画、マンガ、ゲームを通じて幅広い世代に受け入れられている三国志。
多くの場合、主人公は劉備で、きまって「つねに民を思いやる仁君」として描かれる。
その脇には彼を支え続けた天才的軍師、諸葛孔明がひかえている。
ところが歴史学の手法を駆使すると、まったく違う姿が浮かびあがる。
本書で示される驚愕の事実とは・・・
・劉備は競馬好き、学歴詐称で、親不孝なボンボン。
・劉備はヒゲがないことがコンプレックスだった。
・諸葛亮は軍略をたてるのが苦手。
・関羽・張飛は劉備にカネでスカウトされた。
物語では美化されてきた二人だが、彼らの家柄や「財布の中身」に着目すると、本当の姿が見えてくる。
また本書では他の群雄にもスポットをあてている。
・呂布の赤兎馬はポニーなみに小さかった
・三国志の英雄たちはいつも資金繰りに悩んでいた
・董卓は暴君だったのか?
・袁術、袁紹の「二袁児」は声望を集めながら、滅びたのはなぜか?
・曹操はどのようにして財源を確保したのか?
あなたの知らない「三国志」がここにある!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Die-Go
52
『三国志』の世界を(特に劉備と諸葛亮に焦点をあてて)経済面から読みとく試み。大雑把な歴史の流れに乗っ取り解説が進んでいくので、おいてけぼりになることはないだろう。裏話的なものが散見されて、それはそれで興味を引かれるものだったが、なんと言ってもメインの経済面。劉備と諸葛亮がいかにえげつないことをやっていたのかが、滔々と語られていて、これはなかなか白眉(笑)だった。興味深い読書だった。★★★★☆2019/06/17
Tomoichi
31
少し前に宮城谷さんの「劉邦」を読んでいたので前半少し頭が混乱(笑)三国志の時代を劉備と諸葛亮を軸に経済を視点にした通史。それ自体は面白いのだが、英雄vs民衆というどっかで聞いたことのあるような、20世紀的な著者の民衆視点とやらが邪魔をする。司馬懿が好きな私は劉備が悪人でもどっちでもいいが、英雄で悪人でない人なんていないのは当たり前。悪人でなければ英雄になっていないよ。善人なら死んでるね。乱世なんだから。民衆視点がやりたいなら英雄は無視した方がスッキリしてていいんじゃないかな。2018/07/25
リードシクティス
16
「カネ勘定の『三国志』」という副題の割には、あまり経済的な話はなかった印象。兵を養うためには経済基盤が必要、そのためには豊かな州を手に入れなければならず、劉備を含め群雄たちはなりふり構っていられないため、善人ではいられないということ。劉備が必ずしも民を慈しむ仁徳あふれる名君ではないということはちょっと三国志をかじった人ならわかることなので新鮮味はなし。蜀漢というのは民政二の次の軍事偏重政権だったというのは納得。中原に出て魏を打倒するというのが国是なので、蜀というのはあくまで仮住まいという意識だったのかも。2019/03/22
スター
16
三国志演義で名君として描かれる劉備と、天才軍師として描かれる諸葛亮孔明の実像に迫った著。三国志が好きなので、興味深く読みました。2018/07/07
さとうしん
15
劉備の出自など面白いトピックも盛り込まれているが、「劉備と諸葛亮」の評価の話なのか、「カネ勘定」の話なのか、はたまた今でいう少数民族にズームアップした話なのか、いまいち焦点が定まらなかったのが残念。個人的にはカネ勘定の話が面白かったので、曹操・董卓・袁紹・孫権などほかの群雄のカネ勘定も大きく取り上げた続考に期待したい。2018/05/24