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内容説明
藤子不二雄Aの怪奇ヒーローモノの原点
父親を何者かに襲撃された、進ニ少年は警視庁の石寺警部とともに事件の捜査を開始する。人造人間の研究をする科学者フランケンシュタイン氏が怪しいと考えた進ニは、決死の覚悟で研究所へ潜入する。そこで進ニが見たのは鎖に繋がれた巨大な怪人であった。『巨人の復讐』(昭和32年作品)は藤子不二雄Aが23歳のとき、講談社「少年クラブ」の別冊付録に発表した短編作品です。代表作『まんが道』にも描かれていますが、当時、作者がトキワ荘の仲間たちと観た映画『フランケンシュタイン』が制作のきっかけになったと思われます。そして、後のヒット作『怪物くん』『魔太郎がくる!!』など藤子不二雄Aが得意とする怪奇ヒーローモノの原点とも言えるでしょう。今回はそこに藤子不二雄が初めて小学館の学年誌に発表した記念すべき作品『はやぶさ号西へ行く』(昭和33年作品)をカップリングして発行する企画です。どちらの作品も初の単行本化となりますので藤子不二雄ファンからは歓びをもって迎えられることでしょう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
2
藤子A先生初期のホラー漫画。内容としては、藤子版「フランケンシュタイン」というところ。原作を少年漫画化した手堅い内容だが、「怪物」と「花嫁」が山の中で激突する辺りが斬新か。カップリングの「はやぶさ号西へ行く」は、まだ機関車の時代(1950年代)の東京から大阪へのロード・ミステリー。銀行ギャングと同じ車輛に乗り合わせた少年をサスペンス調に描きつつ、富士山や三保ノ松原といった名所を織り込んでいくサービス精神旺盛な短編だ。 2014/01/25
久守洋
0
トキワ荘時代の作品で、正直期待していなかったのだがこれがなかなかに面白い短編集だった。古典的ハリウッド映画をよく観、作品に昇華させていた藤子ならではの手法が生きている。「巨人の復讐」では一面的でないキャラクター造形が、「はやぶさ号西へ行く」では小さな仕掛けによるサスペンスが効いていて飽きさせない。解説に東雅夫と中野晴行。2014/01/29