この春、とうに死んでるあなたを探して

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この春、とうに死んでるあなたを探して

  • 著者名:榎田ユウリ【著】
  • 価格 ¥1,265(本体¥1,150)
  • 筑摩書房(2018/05発売)
  • ポイント 11pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480804792

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内容説明

矢口弼は38歳、元税理士。離婚を経験して仕事にも疲れた矢口は、中学時代を過ごした南森町にひとりきりで戻る。新しい住まいは、かつての同級生・小日向の営む喫茶店「レインフォレスト」の上階。外見は変わっても中身は子どものままに騒々しい小日向に矢口は面食らいながらも、少しずつ雨森町になじんでいく。そんなふたりにもたらされる恩師の死をめぐる謎。先生の死は事故なのか? あるいは、生徒からのいじめを苦にした自殺? 23年前の真実を求めて、矢口と小日向は元クラスメイトを訪ねるが──。失くしたものも、ふたりでなら見つけられる。喪失を抱えた者たちの人生を全力で肯定する物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りゅう☆

94
元税理士矢口が大人になって戻ってきた場所は中学時に過ごした雨森町。偶然にも同級生だったユキが働く喫茶店の3階に住むことに。小さかったのにデカくなった坊主チュンと内科医になった花川とあの頃に戻ったようでいい感じ。だが矢口が突然転校した後、恩師文月先生は交通事故で亡くなっていた。そして花川の元に「あなたたちに殺された」という手紙が届く。文月先生は自殺という噂が。先生の死の真相を探るうちに見えてきた不倫関係。その相手は?離婚した元妻から毎日かかってくる電話、姉の自殺、先生の遺した恋の和歌、皆の考えが同じでない→2021/04/06

papako

69
榎田さんノンシリーズ。タイトルと表紙からもっと辛い話を想像していたけど、大丈夫でした。ある悲しい経験をし、中学時代を過ごした町に帰ってきた矢口(旧姓)が同級生、小日向と邑、花川と再会し、中学の恩師の死の真相を探る。自殺か事故か?死んでる人ははっきりしてるけど、まさかこの中の誰かも死んでる?なんてドキドキしながら読みましたが、普通の着地点で安心しました。ある二人の自殺に生きる気力を無くしていた矢口が先生の言葉や小日向たちに助けられて前を向いていく。うん、さわやかな読後感でした。2019/11/18

Nyah

39
島谷弼38歳元税理士、塾講師をしていたが、離婚後仕事に疲弊し、雨森町に引越す。弼の父は転勤族で雨森町には中学時代に住んでいた。昔の同級生に会った島谷(親の離婚で以前は矢口)は、元担任の文月葵が自分が転校した後に交通事故で亡くなっており、自殺の噂もあった。そして元同級生に届いた怪文書から矢口と小日向は文月の母に調査を頼まれる。/小日向は普段バカなことばかり言っているが、大好きな矢口についてや、チッたんのことなどよく見ている。矢口は雨森町に戻る事で区切りをつけて人生を真面目に生きていける事ができそうだ。2021/04/21

イオちゃん

39
島谷(矢口)は、23年ぶりに中学時代を過ごした雨森町に越してくる。そこで、同級生との出会いがあり、担任の先生の死を知る。先生は自殺なのか、事故なのか、を探る羽目になって…。ミステリー風味を楽しめ、会話の軽妙さに笑い、和歌のモチーフに感心し?、最後は矢口の再生の物語でもあって、温かい気持ちになれる。何とも盛り沢山なお話でした。面白かったです。2018/09/14

黒猫

38
訳あって中学時代に過ごした町に戻った主人公の矢口。23年前に同級生だった小日向ユキが新しく住むアパートの一階で喫茶店を開いていてという展開から、23年前に亡くなった国語の先生の死因の真相究明へと話が広がり、過去の同級生と再開しながら23年の空白を思い出すようにして埋めていく。ラノベ感覚でちょっとBL的な展開になりそうなら嫌だなあと思いながら読んでいくとそういう訳にもならず、まあ23年も経つとみんないろいろあるよなあというありきたりな感想に落ち着いてしまいましたが、葵先生の好きな人って矢口さんだったのかな?2018/07/02

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