内容説明
主人公はすべて女性。キリリと生きる魅力溢れる女性たち、そしてその傍らには男性。ふとした出会いや記憶から、紡ぎ出される物語。すべて書き下ろしの短編全7編収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ほほほ
28
女性が主人公の短編7つ。74歳の片岡義男さん。この本では、古き良き時代の価値観を重んじた上で、女性の新しい生き方をたくさん提案してくれている気がする。フィクションだとしても励みになります。7つの話全部好きだけど、喫茶店でコーヒーを飲みながら、手帳に短いフレーズを書き留め、詩を作る女性の話が印象的。「赤いスカートの一昨日」という題名も良い。2015/01/11
ひな
19
図書館の福袋より。初めて片岡さんの本を読みましたが、何だかとても不思議な感じでした。ぽつぽつと登場するコーヒー、喫茶店、写真がふわふわと漂い、男女のさりげない会話がさらさらと続く。結局何だったのかしらと思うようなラストが多い短編集ですが、もやもやとはならず、むしろそれで良いのだと思わせるのが不思議。最初の「アイスキャンディに西瓜そしてココア」がよかったです。2017/01/22
sasa-kuma
15
さらりと乾いた感触の短編集。登場人物たち(特に女性)に迷いがないからなのかな。心の中がざわざわする感覚もある。なんでかな。わからないけど。ゆっくり理由を考えよう。「赤いスカートの一昨日」が好き。来年こそは手帖を買おうかな。2018/09/29
cobalt
3
なぜだろう、古栗のかほりがする。2012/02/26
タイコウチ
2
いつもながらの片岡印の短篇集。屈託のないというか、迷いのない女と男がそれぞれに行動し、出会い、会話を交わす。現実味がないという批判もたびたび見るが、片岡義男の小説は、対等な男女の関係のイデアであり、優雅なダンスのステップを正確に描写しているようなものだと、いつものことながら思う。短篇だからと続けて読んでしまうと、どれも似通った印象でちょっと飽きてしまうところもあるが、それも量産される「良質のポップス」のようなもので、ほとんどの作品がタイトルを決めたところから、自動的に書き上げられているのではないだろうか。2014/10/06