内容説明
1975年2月、東ベルリンの〈壁〉に接した墓地で、少女の死体が発見される。現場に呼び出された刑事警察の女性班長ミュラー中尉は衝撃を受ける。少女の顔面は破壊され、歯もすべて失われていたのだ。しかも現場にはいち早く国家保安省(シュタージ)のイェーガー中佐が来ており、やがて異例のことながら事件の捜査がミュラーたちに命じられる。やはり背後には何かがあるのか? 彼女の捜査は、知らず知らずのうちに国家の闇に迫っていく……冷戦時代、鉄のカーテンの向こう側の事件を描いた傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nat
41
図書館本。面白かったが暗かった。冷戦下の東ドイツの様子がよく伝わってくる。エピローグも考えさせられる内容だ。ミュラーが主役のシリーズは三作ほどあるらしいが、読みたいと思うシリーズにかぎって翻訳されていなくて残念。2024/06/02
ほちょこ
37
知らざれぬ(私だけ?)ドイツ共和国。中国かと思った!フィクションとはいえ、著者あとがきにもあるように、事実を掘り下げた作品として、読んでおいてよかったと思える一冊だった。エンディングとしてはモヤモヤだけど。2018/07/23
ハスゴン
36
イギリス人が書いたドイツの舞台という変わった小説ですが、主人公が揺れ動く感じが次回作も期待! ドイツの分裂しているのをリアルに感じたりできました。2018/08/28
み
23
重かったものの、夢中で一気読み♪ドイツが2つだった頃が舞台。そんな状況だったんですね…、そんな前のことでないのに。本国では、何作かあるようなので、翻訳して欲しいです。読みたい♪2022/04/29
tom
17
旧東ドイツで刑事をしている女性が妙に面倒な時間を担当させられる。のた打ち回りながら、刑事としての節操を守るため、捜査を継続。そして、その結果、とんでもない裏切り行為を解き明かすという物語。まあ、刑事小説としては、中の下。展開としても、そうなのーというところ。少々の残念本。それでも、最期まで読み続けたのだから、そこそこなのかしら。2018/12/18