内容説明
名言は“ざんねん”だった。
「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」(福沢諭吉)――平等な世の中を目指す言葉のようですが、『学問のすゝめ』では「実際には格差があって、それを生むのは学問をしたかどうか」だといっています。つまり、「負け組になりたくなければ勉強しろ!」という意味で、平和や平等とはなんのつながりもない“名言”だったのです。
「天才は1%のひらめきと99%の努力(汗)」(エジソン)――これを「努力はこんなにも大事なのだ」と解釈するのは間違い。のちにエジソン自身が「汗を流せばなんでも成功するわけではない。1%のひらめきを無視してはならない」と強調しています。
このように、名言や格言、ことわざなどの前後をひもといて、真意を明らかにしていきます。あなたがあいさつなどで引用していたあの名言、じつはまったく違う意味だったかもしれません。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
future4227
42
偉人の言葉はその多くが都合よく切り取られ、都合よく解釈され、本来の意味するところとかけ離れて独り歩きしていくものだと痛感した。特に福沢諭吉の「天は人の上に人をつくらず・・・」は完全に多くの日本人が勘違いしているし、エジソンの「天才とは1%のひらめきと99%の努力である」というのも世界中で誤解されている可能性がある。石川啄木の「はたらけどはたらけど・・・」に至ってはもはや詐欺である。前半は偉人の言葉が並んで面白かったのだが、後半はことわざの説明になってしまったのが残念。2019/03/10
アルカリオン
10
p100 「近代科学の祖」とも呼ばれるフランシス・ベーコンの「知は力なり」は「知識こそが重要」という意味ではない。まず、ここでいう「知」とは客観的・科学的な「知見」のことである。ベーコンは、観念的な思考をもてあそぶそれまでの哲学を批判し、実証的なデータに基づいた知識がなければ真理に辿りつけないとした。さらに、そうした知識によって、現実社会を変えていくのでなければ意味がないとも主張した▼▼「知」は「目的」ではなく、社会をよくするための「手段」だという趣旨だと理解した。2020/11/20
アルカリオン
10
p96 ビスマルクの名言とされている「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」は、超訳である。元の言葉は「愚者は自分の経験から学んだことを疑わない。私は自らの誤りを避けるために、他人の経験から学ぶことを好む」であり、「人のふり見てわがふり直せ」に近い。もちろん、過去の歴史から学べることも多いだろうが、ビスマルクは「歴史を勉強しろ」と言ったわけではない。2020/11/18
アルカリオン
8
厩戸皇子(憲法十七条)「和をもって尊しとなす」:「みんな仲よく」という意味ではなく、対立派閥も排除せずに議論したうえでの合意形成を促す言葉。議論は白熱しがちなので「あくまで穏やかに話し合え」ということ▼『論語』の「君子は和して同ぜず小人は同じて和せず」における「和」と同じ。『論語』には、「礼の和を用て尊しと為す」ともあり、これが出典だと考えられる。2020/11/21
まゆまゆ
8
タイトルのとおり、偉人たちの名言の背景を紹介していく内容。エジソンやガガーリンの話は知ってたけど、福沢諭吉の話など初めて知るものも。風林火山には続きがあるというのが一番驚いた。知り難きこと陰の如く、動くこと雷震の如し。2018/08/16
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