内容説明
熱伝導の研究から、「任意の周期関数は三角関数の無限和で表される」ことを発見したジョゼフ・フーリエ(1768-1830)。実際その級数展開の方法は、熱伝導のみならず、さまざまな物理現象をときあかすために欠かせないツールであることが明らかとなった。本書は熱・光・音の伝播という身近な現象から、線形応答理論や量子論におけるフーリエ変換の応用まで、具体例を多数紹介。丁寧な筆致で、読者を多様な物理の世界へといざなう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アドソ
10
昔、東大出版から出ていたUP応用数学選書版を読んでいて「すごい本だな」と思っていたのだけど、その文庫化と気づかず買ってしまった。今読んでも昔の感動は変わらないどころか、広範囲におよぶネタの取り上げ方と、くどくなりすぎない洗練された説明にあらためて感嘆の唸り声をあげてしまうのでした。200年前のフーリエの発明が現代の理学・工学をさまざまな形で支えているのがわかる。「フーリエ変換なんて何の役に立つの~」と嘆いている大学一年生にも読んで欲しい。2018/08/19
BIN
5
大学で数学を学んだ際に一番感動したのがフーリエ解析でした。そのフーリエ解析に関して、最初に少し数学的なことに触れて、あとは物理現象に応用した説明がわかりやすくなされてます。周期的なものに有効なので、振動やら量子力学関係が多いです。位置空間から運動量空間への変換とはなるほどね。2022/07/16
S
2
数学的なことよりは、物理的な応用への説明が主眼。良い本と思った、が、ちゃんと読んだというよりは、目を通した感じ。最近忙しくて本を読めていない。2018/06/17