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内容説明
女性を愛し、駄洒落を好み、甥への愛に振り回される──最新の資料を駆使して従来説を大幅に書き換え〈隣人ベートーヴェン〉の新像をいきいきと提示した名著、待望の再刊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
103
2009年発刊。秘書シントラーの資料改竄に端を発する「陰気で悲劇的な英雄」像を一掃すべく執筆。描かれるのは活力とユーモアに溢れ、自由人気質を徹底謳歌するベートーヴェン像で、多くの矛盾が明晰に整理・統合されている。音楽論や裁判沙汰とは距離を置き、ゲーテらの思想的潮流を汲んだ成長物語がメイン。彼はどこまでも才能の人であると同時に克服の人。西洋思想と東洋思想の垣根を超えた宗教観や人類愛を見るに、彼の音楽が年代と地域に依らず愛され続ける要因もそこにあるような気がする。人間としてのベートーヴェンを概観するには良書。2024/08/03
Book & Travel
39
今年はベートーヴェン生誕250年。記念コンサートに行く予定もあり手に取った(コンサートは中止となったが)。著者はベートーヴェン研究に尽力した人で、内容がとても濃い。登場人物が多いのが大変だが文章自体は読み易く、繊細で奔放な天才の姿が伝わってくる。難聴の苦難の中で生まれた革新的なピアノソナタ〈悲愴〉。絶望から立直り誕生した交響曲〈エロイカ〉。生涯の思想が結集された『第九』。名曲誕生の背景がやはり興味深い。フランス革命、ナポレオン侵攻、ウィーン体制という時代背景や、ゲーテや多くの女性達との交流歴も面白かった。2020/04/14
Totchang
13
生誕250年の今年はベートーヴェンの作品をたくさん鑑賞しようと思っています。ロマン・ロランの「ベートーヴェンの生涯」はシントラーの捏造やマリアム・テンガーの偽書に基づいた誤ったベートーヴェン像を世界に流布してしまったので、本書では豊富な調査により人間的で徹底した自由人であったベートーヴェンを描き出そうとした。と作者はあとがきで記している。「不滅の恋人」を明らかにできたその調査・取材力には頭が下がる。晩年のベートーヴェンの宗教観、ひいては交響曲第9番の叫びに、とても共鳴しやすい私を発見しました。2020/03/16
植岡藍
4
一次資料からの情報が多くてとてもありがたい本。読みやすいし歴史の側面とベートーヴェンの人生と作品がバランスよく語られていて読みやすい。交友関係なども日記や書簡から整理されていて面白かった。2018/05/20
Mayumi Nakano
3
年末の第九合唱から、にわかに興味の対象となったベートーヴェン。作曲家であり指揮者でありながら、晩年耳が聞こえなくなった人、くらいの知識しかなかったが、この本を通して、彼が本物の天才として生まれ、様々な逆境と戦いながら使命を全うしようとあがいた生身の人間だったことを十分に感じられた。苦悩を経ての歓喜だからこそ、第九はあんなにも人の心を動かし、歌い継がれているのだと思う。天才って本当に大変だ。凡人は、妬んだりしないで、素直に拍手を送ろう。2019/01/20
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