内容説明
誰もが知っている「モナリザ」。しかし、よくよく見てみればさまざまな謎に満ちている。モデルはだれか、なぜ微笑を湛えているのか。左右の背景はなぜつながっていないのか、そもそもなぜこんなに荒涼とした風景なのか……。鏡文字で書かれたダ・ヴィンチの手稿を研究し、彼の抱く世界観を知悉する著者が、「モナリザ」や「受胎告知」等、現存する主要な絵に秘められた謎について、ダヴィンチ自身のものの見方考え方に立って、俗説を退け、解読を試みる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
37
著者は、ダヴィンチが鏡文字で書いたノートブックの研究者らしく、そこから導き出せる地質学的観点から、ダヴィンチ絵画を分析する。カラー図版も多く、こんな視点もあったのかと新鮮だった。モナリザの正体に関しては、引用されているロベルト・ザッペリ「さらば、モナ・リザ」も読んでみたい。2017/06/27
かごむし
33
僕は絵画に疎いけれど、前に「アンギアーリの戦い」を美術館に見に行ったりと、ダヴィンチだけは知っている。万能の天才と言われるダヴィンチの手稿などから、彼の本当の姿を探る本。天才というよりも、極度の変人であり、しかしその異常な探究心は、学術的な訓練を受けていない一介の絵画職人を至高の高みにまで引き上げたと言っていい。ダヴィンチを伝説から一個に人間にひきずり下ろすことで、その本当の偉大さがようやく露わになってくるようだ。肝心のダヴィンチの絵についての考察はよくわからなかったが「モナリザ」は優しい絵だなと思った。2018/02/27
夏
22
本書は、モナリザで始まりモナリザで終わる。モナリザやそれ以外の絵画の謎や、ダ・ヴィンチが哲学や科学とどのように向き合っていたかがわかる著書になっており、このような視点からダ・ヴィンチ絵画と向き合うのは自分の中では初めてだったので新鮮に感じた。最後にはモナリザに対する著者の推理も披露されている。ルーブル美術館でモナリザを見たことがあるのだが、そこだけ人だかりができていたり、ロープが張られていたり、警備員さんがいたりと、どれだけこの絵画を大切にしているかが伝わってきた。モナリザはやはり世界的名画だ。星3.5。2024/05/10
cape
19
ダ・ヴィンチの手稿から当時としては先進的であったであろう科学的な考察を解読しながら、モナリザの謎に迫っていく。地質学、物理学、植物学などの科学的な思索を続けるダ・ヴィンチの姿は、今に残る傑出した芸術作品を思うと、そんなことは忘れてもっと絵を描いてくれと言いたくなるが、ダ・ヴィンチたる所以でもあるのだろう。もっとも後世における天才評価も、無学な姿や今から見れば稚拙に思える論理が、現在の評価が歪んだ結果に思わせる。ちょっと変な奴だったんだろうか。いずれにしても、モナリザの微笑みは美しい。2017/09/23
風に吹かれて
16
『モナリザ』を見るたび、いつもモナリザの背景になっている景色は何を意味しているのだろうと思っていた。また、『聖アンナと聖母子と子羊』も聖アンナ、聖母マリアそして幼子イエス、彼らが居る場所、背景に対する違和感を抱いていた。地球は丸いのに何故陸地があり海があるのか、地球はどのように活動し、将来、どうなるのか、ということへのダ・ヴィンチの深い関心と思索を著者は丹念に手稿を読むことで解き明かしていき、絵画にどう反映されているかを提示する。私にとっては目から鱗。ミステリーを楽しむように読めた。2017/05/31
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