講談社文庫<br> 蜃気楼の犬

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講談社文庫
蜃気楼の犬

  • 著者名:呉勝浩【著】
  • 価格 ¥792(本体¥720)
  • 講談社(2018/05発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062939157

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内容説明

正義など、どうでもいい。俺はただ、可愛い嫁から幸せを奪う可能性を、迷わず排除するだけだ。明日も明後日も。県警本部捜査一課の番場は、二回りも年の離れた身重の妻コヨリを愛し、日々捜査を続けるベテラン刑事。周囲は賞賛と若干の揶揄を込めて彼のことを呼ぶ――現場の番場。ルーキーの船越とともに難事件の捜査に取り組む中で、番場は自らの「正義」を見失っていく――。江戸川乱歩賞作家が描く、新世代の連作警察小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

イアン

130
★★★★★★★☆☆☆架空の地方都市を舞台とした呉勝浩の連作短編集。4人が死傷したスクランブル交差点での銃乱射事件。当初は無差別テロかと思われたが、被害者同士に関連性が浮上し――(「表題作」)。ふた回り年下の妻を持つ刑事・番場が、指だけ別人のバラバラ殺人や落下地点が離れ過ぎた墜落事案など、不可解な事件の謎に挑む。独立した短編と思いきや、終盤にかけてパズルのピースが嵌っていくように事件関係者が繋がっていく。読み易さの一方で、身重の妻・コヨリが抱える闇が宙に浮いた印象も。このモヤモヤは、さながら蜃気楼のようだ。2025/12/11

KAZOO

95
刑事もので読む本が見つからなかったので手にとってみました。また異なる感じの刑事ですが現場第一主義のようです。連作短編のほかにおまけのような作品が収められています。この本の題名になっている作品が連作最後の話ですが、前の作品がどこが出繋がっているような感じになっています。また男ばかりだと味気ないということから主人公の刑事に二まわり年下の奥さんを登場させていますが、ファンの方には申し訳ないのですが余分な感じがしました。2019/06/02

タイ子

85
一風変わった刑事が登場。正義なんかどうでもいい、ただ愛する妻が平和な生活をするために危険な容疑者を早急に逮捕するだけ。なんだこの人?!って思いながら読んでいくうち、この刑事の勘の鋭さと、ダテに刑事やってないなと思わせる解決の仕方に脱帽。相棒が正義一筋の新米君だから面白い。連作短編集ながら最終章で起こる事件に前章の登場人物たちを上手く配置させる辺りすごいなと思わせる。ただ、二回り年の差の妊娠中の妻がどうにもアブなくて大丈夫か?と思ううち終わったので気になって仕方ない。シリーズ化するのか?面白いので是非!2020/07/24

H!deking

80
いやー面白い。今回は連作短編集と思わせつつラストで繋がるパターンですね。ストーリーやトリックは真新しさは無いものの会話のテンポ感や言葉のチョイスが相変わらずナイスですね。2023/12/11

ちゃとら

41
【友本】呉勝浩氏2作目。話題作の『爆弾』は少し苦手な作品だった為、友が貸してくれた本の中になかったらおそらく読むことは無かった作品がすごく面白かった。現場の番場と呼ばれる中年刑事の人柄も、惨殺死体のトリックも、安定感のある濃いめの味のある作品だった。友に感謝🙏2025/03/21

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