ちくま新書<br> 遺伝人類学入門 ──チンギス・ハンのDNAは何を語るか

個数:1
紙書籍版価格
¥1,034
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

ちくま新書
遺伝人類学入門 ──チンギス・ハンのDNAは何を語るか

  • 著者名:太田博樹【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2018/05発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480071385

ファイル: /

内容説明

近年、世界中の人類集団の遺伝子のバリエーションについて大規模な研究が数多くなされている。そうした中、中央アジアから東アジアにかけてチンギス・ハンの持っていたY染色体のタイプが爆発的に拡散しているという仮説が提起された。本書ではこの仮説を追うことを糸口として、遺伝子の研究方法から、人類の祖先の辿り方、進化と遺伝の捉え方まで、ゲノム時代にわれわれのルーツを追究する意義について、縦横無尽に解説する。

目次

第1章 ゲノム・遺伝子・DNA/第2章 アウト・オブ・アフリカ/第3章 遺伝子の系統樹から祖先をさぐる/第4章 適応vs.中立/第5章 男女で異なる移動パターン──sex-biased migration/第6章 チンギス・ハンのDNA

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

那由田 忠

23
いろいろな基礎知識も入れて説明しているのでやや冗漫な感じがする本であるが、斜め読みしながら人類学の進化を確認できる。ミトコンドリアと遺伝子からの人類の系統分類がどうして異なるかの説明は納得できる。問題はそこからチンギスハンの子孫に話をもってくること。p.272に正確な最新結果が欄外に書いてあるけど、関連しているのは4千年前なのでチンギスハンの子孫というわけではなくなってる。今更副題を変えられなかったとは思うけど。2021/02/23

サアベドラ

19
遺伝子などから人類の進化や拡散過程を探る研究を広く浅く語った本。著者は北里大学准教授(専門は人類集団遺伝学・ゲノム遺伝学)。2018年刊。カルチャーセンターの講座を元にしたとのことで、わかりやすい反面、繰り返しが多くちょくちょく脱線する。著者の専門の話になると急に詳しくなるところも講座っぽい。本書で遺伝子と人類に関する知識を概説的に得ることはできないが、この学問分野の進歩の速さとライブ感をなんとなく感じ取ることができるという点で、悪い本ではないと思う。2019/01/20

YO)))

14
遺伝情報はビックデータに他ならないことが分かる。数理・統計的な処理により描かれた系統樹から人類の進化の過程を辿る(「出アフリカ」の時期やネアンデルタール人との混血など)、遺伝子の差異を計量化した指標=遺伝距離から集団間の遺伝的多様性を評価し、男女で異なる移動パターンを明らかにする、など。こと人類の進化においては、自然選択だけでなく、婚姻システムや身分制度などの文化的要因による「社会選択」が遺伝頻度を決定づけている場合がある、というのが本書で繰り返し主張されている肝要な点であろう。2022/09/19

GASHOW

6
中央アジアには、チンギスハンの遺伝子があると言うゲノム解析の結果がある。遊牧民で武闘派だと地域の定住の男を殺して、女性に子どものたねを宿して去って行ったならば、そりゃ遺伝子はひろまるね、チンギスハンの時代の地球の人口は、相当小さいからありえる話だと言う。2019/03/01

坂津

5
遺伝子分析の仕組みや系統樹の作成方法、自然選択説や中立説をふまえた進化論の概説、性別や文化によって異なる人の移動パターンなど、遺伝人類学のエッセンスを初学者に分かりやすく伝える名著。以前読んだ『交雑する人類』は最新かつ世界レベルでの古代DNA分析に焦点を当てた刺激的な著作である一方、遺伝人類学の具体的な研究アプローチについては掘り下げが浅い部分があった点を鑑みると、あとがきの記述通り「科学の最先端」の紹介は限定的な本書と『交雑する人類』を相互補完的に読むことでより一層理解が深まるのではないかと思われる。2019/02/15

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12772080
  • ご注意事項