内容説明
前人未踏の永世七冠棋士と、現代日本最高の詩人が、将棋と言語をめぐり、縦横無尽に語り合った……羽生の将棋哲学の核心にはじめて迫り、将棋ファンのみならず愉しめる、至高の対話!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まさ
25
羽生善治さんと吉増剛造さん、お2人の対談。20年以上前なのですね。盤上に一手を指すまでの長考も、巡る世界を詩の一語で表すまでの時間も同じように、深く果てしないものなのだろう。見えない、見えにくいからこそ、歩を指す一手も大切ですね。壮大な世界の一端を感じさせていただきました。2023/07/29
有理数
17
羽生善治と吉増剛造の対談。お二人とも次元が違って、話している内容が大変に抽象的ですが、ひとつわかったことがあって、それは、お二人が出力するものは、それぞれの分野の「宇宙」に使役されている、ということだ。羽生さんの場合は、将棋の宇宙のようなものがあって、それが「羽生善治」という媒体を使って最高の一手を「指させている」。吉増さんの「詩」も同様。人間よりも「上」に「将棋」や「詩」があるのだという感覚です。対談は枝別れすることもあれど、上手にひとつの幹に収束していくようで、とても面白かったです。2018/07/30
yutaro sata
8
シジフォスの神話に話がさしかかるところが一番魅力的です。繰り返しの、苦行とも思えるところに一番の幸福が。2022/05/15
kentaro mori
4
吉増57歳、羽生26歳の対談。羽生の言語化能力の高さに驚く。playing時のことを言語化することの難しさは、大友良英『MUSICS』でも証明済みである。●吉増〔後記-とても遠い声が聞こえてくる気がして、対談が終わってから、不図、羽生さんにたずねていた。羽生さん、いい名前ですね。"先祖は種子島に多い姓らしいです、・・・・・"羽生さんがこう口にされたときのめまいに似た感覚が忘れられない。小さな波頭が見え、汐の匂いがしたといえばあたるのでしょうか〕2018/07/22
白いハエ
2
とてつもない人選の対談本であると、びっくりして思わず買ってしまった。将棋と詩と、一見乖離も甚だしい分野に見えるが、そこに通底する時間や感情のスタンスがあることを、対談を通じて見事に浮かび上がらせていく。羽生氏の当時の若さを考えると、三十歳も年上の日本語詩人最高峰の吉増氏相手にあれだけの語りを見せるとは、本当に才能のある人なのだと、絶句していた。2018/06/17
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