内容説明
名門朝倉家に生まれ、もう一歩で朝廷と天下を手中に収めることができた男、朝倉義景。信長すら追い詰めた武将は、愚将と誹られ、侮られる生き方を自ら選んだ──。気鋭の著者による新たな戦国武将伝。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
151
浅井朝倉と一緒くたに日本史で覚えた名前。朝倉義景の事はほとんど知らない。家臣にも理解されぬ生涯だったのだなぁと読後はちょっと複雑。信玄が死んでいなければ・・と云ったところで信長にはきっと敵わなかっただろう。確かに異彩を放つ人物像が浮かぶもあの頃、時代は織田信長を欲したのだろうさ。2018/05/29
あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...
109
吉川永青が描く朝倉義景。信長メインの作品の中で、越前の主としての義景に触れることはあっても、義景メインの作品となるとお初だったかも。タイトルに見るとおり、我欲が強く、また自分の感情のままにふるまってしまうためか、見ようによっては気味悪く映るが、良く言えば、自分を飾り立てることなく、むしろ人間味があったとも言えないか。そんな義景をして『化け物』と言わしめた信長だったからこそ、天下を手中に納めることができたのかもしれない。生き残るための裏切り、そんな戦国の世の非情感がてんこ盛りの作品でした。2020/02/22
とん大西
100
肩書きに固執する権威主義者。自己チューでプライドの高いマゾヒスト。信長という大波にのまれた越前の古豪朝倉義景。本作ではなかなかの狂気っぷりが炸裂。略奪に愉悦を感じ、愚者を装い信長を追詰める。最後の最後に奪うは我なりと-。その心の咆哮、果たして義景にとって奪うべきは何だったのだろうか。-『七転八倒して悶え苦しむだけだった生涯。虚しいまま死に至る』-40年を振返った義景辞世の句です。諦念と失望。ホンマは気弱な凡人やったかも。それでも越前の栄華は善政の賜物。暗愚というには酷か。不向きやったんやろね、戦国の世が。2018/06/30
巨峰
87
史上足利義昭が整えたとされる信長包囲網を義景の手柄にしていた。それでもしないとほんとに何もしなくて滅びた人になってしまうからな。逆に、人知を超えた信長の描写がなかなか鋭くて怖かったです。(本作は、驚きの表現の軽さが気になりました。)2019/01/13
佐治駿河
44
朝倉義景を描いた物語。物語に賛否あると思うが私的には特段悪く無い作品だと思う。朝倉義景をこれまで考えられていた様な像と異なり実は有能だったとならず、きっちりと悪く無様な人物であったと描いています。多分好きになる人はいないですね。でもこの作品を読む事で他の戦国時代の作品を読んだ時に朝倉義景様な人物と比較して英雄感が増しますよね。私はこの様な作品は必要だと感じます。吉川先生はあまり題材になり難い人物を扱った作品がありますので、この様な作品を期待してしまいます。2025/02/06
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