内容説明
<スーツ男子×バディ×銃撃戦>人事部が悪い社員を社内調整=ぶっ殺す! シリーズ累計150万部「ニンジャスレイヤー」チームが描く衝撃の社内スパイアクション。
【衝撃のスパイアクション開幕!】2018年、東京・丸の内。合併続きで肥え太った大企業T社には「消費者をナメくさっている」事業で稼ぐ社員が誕生していた。彼らの不正が世に出ればT社のダメージは計り知れない。その前に証拠を押さえ部署ごと解体するのが、人事部の特殊部隊「四七ソ=オフィスの死神」の仕事だ。営業から四七ソへ引き抜かれた31歳妻子持ちの香田は、年上の後輩・奥野とバディを組んでいた。ある日、AIをフル活用してパクりブログを運営する部署への社内調整依頼が入る。順調にサーバールームへ侵入した二人だが、突然、武装したコンサルタントに襲撃を受けた!血を流す奥野。はたして無事に任務を遂行できるのか!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
70
会社に寄生し、調子をこいて利益を貪る奴ら、頸を差し出せ!フォント違いのBLAM!とか出ていたので外国の人が書いたのかなと思っていたら、日本語が引っかからないのに首を傾げる。改めて著者をみたら『ニンジャ・スレイヤー』の翻訳ユニットさんじゃないですか。道理で読みやすい訳だ。鉄輪さん、なんでそんな業深い名前にしたん・・・!?後、香田さんは器用なタイプじゃないから投資は止めた方がいいと思う。巻末のプロフィールの各人物の好きな映画からモロに分かる性格にニヤニヤしました(特に奥田さんと『ハードコア』好きなあの人)2018/07/11
海猫
56
ポップで爽快なアクション小説。巨大な迷宮のごときオフィスビルのイメージがなんともシュール。そのどこかで唐突に猛烈な銃撃戦が始まる、という流れがワクワクする。いまどきを舞台に、スパイアクションを成立させてしまうこの凝った設定。「敵」の在りようも現代日本的。作中で銃弾が飛び交うたびにストレスが消えていくよう。続編を待つ。2018/04/26
toshi
12
筒井康隆とか、浅田次郎の「プリズンホテル」みたいなハチャメチャで在りえない設定で、単なるドタバタになりそうなところを何とかきれいにまとめたという印象。序章で主人公の香田が四七ソに移ったので、そこからOJTで成長していく物語かと思ったら、次の章ではいきなりメンターになっていた。細部の描写に拘っていてそれが特異な設定とストーリにマッチしていていい感じに物語が進んでいく。会話もしゃれているし、スト-リ展開も良くできていて、最後まで楽しく読めた。(→続く)2018/06/14
NICK
7
「学園モノが成り立つのは学校が特殊な空間であるからだ」というような言葉を読んだ覚えがあるが、それを言うなら「会社」も学校以上に特殊、ともすれば異常な空間だろう。部署の私物化、非合法的事業運営…それらが蔓延るのも「会社」におけるローカルな法が「社会」のパブリックな法より上位に置かれているからだ。ダンジョンめいて複雑化したビル。これはそのまま「会社」という異空間の複雑さの象徴である。歪に肥大化した組織に腐敗は避けられないが、その腐敗にコンプライアンスを叩きつけ、3Dプリンター銃で“最終調整”を行うのが四七ソだ2018/05/24
うさみP
7
「サラリーマン+拳銃+特殊能力」というもしもの世界。サラリーマンなら一度は考えたであろう妄想。買収・合併を繰り返し、その異様な業務実体と姿から「九龍城」「ラピュタ」と揶揄されるメガコーポ『T社グループ』。この世の最上位である「会社の秩序」を乱し、不正を働き私腹を肥やす悪社員に、人事が撃つ!!新世代サラリーマン必殺活劇誕生。悲喜交々なサラリーマン社会という強固な地盤があるからこそ、忍殺の文脈を孕んだ突飛な物語設定が活き、奇と奇が絶妙なバランス感覚で面白い。これはアニメ化を期待。2018/05/12