内容説明
なぜ、今、憲法が話題になるのか。憲法は何のためにあるのか。どう読むのが正解か。近代ヨーロッパで生まれた立憲主義の意味や、世界水準の議論にもとづく自衛隊と9条論、安倍改憲案のおかしさを、憲法学の第一人者がシンプルに語る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てつ
47
憲法改正には反対ではない。ただし、変える必要があれば、の話である。今の憲法で不都合があるのか、あるなら何故今の社会は成り立っているのか、という簡単な論理は間違っているのでしょうか。2018/11/18
nagoyan
13
優。2018年刊。内閣法制局の集団的自衛権一部容認解釈。新安保法制成立後、改憲が政治日程にあがりそうな時代に書かれたもの。憲法は法律と違う。憲法は法律で不都合が起きた場合に国民(実は、裁判官)の良識を発動させる契機となるもの。憲法は、比較不能な価値を抱く人々の共通利益(公益)を図るためのもの(立憲主義というプロジェクト)。自衛隊は、立憲主義からすれば合憲。9条の価値は、ゼロベースからの説明を政府に求める点にある。いやぁ。長谷部先生の議論は、いつ読んでもスッキリ。2022/09/27
sonettch
11
「少なくとも民主政治の下では、ある人に政治を任せてうまくいかなければ、その人の首を切ることもできます。ある政策がうまくいかなければ、別の政策を試すこともできます。独裁政治では、そうはいきません」(p.158)←「早くそいつの首を切れ」という熱い思いが伝わってきて、胸アツです。2018/05/27
tolucky1962
9
9条でいう戦力自衛隊は認められる。これが法の解釈だ。目前に人が倒れていれば法より命を優先する。人質のため犯人を超法規的釈放したハイジャック事件は理解された。表現の自由に対しヘイトスピーチは制約されるが説明は必要。同様に自衛隊の存在理由は認められ,自衛隊は何をできるかのポジティブリストが検討される。もし憲法改正で軍を持てば,ネガティブリスト以外はできることになる。何が起きるからわからない,何でもできるようにしないと困る。ぎりぎりの判断はできない,責任を負うのは嫌だという覚悟なき政権はダメという。 2020/11/01
なななな
6
やはり、色々な見方があるものですね。さて、リアルにこの問題はどうなっていくのだろう???2018/05/09