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内容説明
小学校・中学校では「うまくいかなかった」子どもたち――そんな彼らのために設立された“やりなおしの高校”(再チャレンジができる学校)で繰り広げられた教師と生徒の葛藤、魂のぶつかりあい……。日本に本当に必要なのは進学校じゃない。苦しい生徒に寄り添い続ける、こんな学校だ!目次 1章 ひどい学校2章 貧乏神と熱血漢3章 改革前夜4章 すべては生徒のために5章 再チャレンジ・スクール6章 卒業後の居場所
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
395
ドキュメンタリーなのだが、関係者等に配慮して学校名や人名はすべて仮名になっている。したがって、信憑度の検証はできない。というのは、これが仮に小説などのフィクションとして書かれていたとすれば、多くの読者がいくらなんでもそんなに上手くいくだろうかとの疑問を抱きそうだからである。私も人格がスレているからか、読後の今、そんな疑いも捨てきれないでいる。とにかく、やることなすこと、ことごとく成功するのである。もちろん、その背後には管理職も含めた教員たちの並々ならぬ(そんな言葉では不十分な)努力があってのことだろうが。2022/01/05
zero1
78
所謂【底辺校】は生徒の家庭に問題あり。喫煙、バイク、妊娠に虐待。成績も進級出来ないくらい酷い。卒業できても【進路未定】が多い。フリーターだ。教師も罰ゲームのように【最短の四年で異動】を願う。難題山積の高校を変えることは出来るか。本気になった教師たちの挑戦が、この一冊に。外部から相談員を入れる試みや地域との連携は他校も見習うべき。⭐校名や個人名などは仮名。文章も上手くないが日本のどこかでこうした挑戦が今日も行われているいるのは確か。私も生徒と接するので他人事ではない。2022/02/03
s-kozy
75
非常に興味深い(仮名で描かれているが)ノンフィクション。いわゆる「底辺校」「課題集中校」「教育困難校」ではあるが、「小・中学校ではうまくいかなかった子どもたち」に将来への道筋を与えようと奮闘する先生達と高校の数年の記録。7人に1人の子どもが相対的貧困状態にある現在において困難な境遇で生きざるを得なかった子どもたちを正規労働に就かせ、最終的に納税者になってもらうのは非常に大切な営みのはず。将来の日本に希望を失わないために、これだけで問題が解決する訳ではないが、こんな高校が増えるといいだろう。2019/02/15
佐島楓
75
この作品は、教育関係に携わるすべての方々に読んでいただきたい。生徒ひとりひとりに向き合う難しさや、彼らに眠る力を信じるということ、虐待やネグレクトに直面する生徒にどう対峙すればよいかなど、様々なことをめまぐるしく考えた。最も頭に残ったのは、学校は生徒のセーフティネットたり得るかということだった。教育はどこまで、どんなことまで可能であるべきなのだろう。2018/05/01
ぶんこ
59
子どもは親を選べない。負の連鎖をどこかで断ち切らないと日本の将来が危ないと感じました。生活保護世帯の子どもが生活保護世帯を新たに作り出していく。国としては、楽しく働けて税金を納められる社会を作ったほうが絶対に得なんだけど、目先にとらわれすぎている。高い理想があっても、権力を持つ上から頭を抑えられては実現しない。その意味で校長となられた吉岡さんと教頭の原田さんがコンビとなって一緒に船出できたことが大きい。そしてA県の教育委員会もたいしたものです。読んでいてワクワクしました。2018/09/10