集英社オレンジ文庫<br> どうか、天国に届きませんように

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集英社オレンジ文庫
どうか、天国に届きませんように

  • ISBN:9784086801775

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内容説明

オカルトに憧れる「僕」は、ある日の下校中、自分の指へ絡む黒い糸に導かれ、死体を見つける。特別な力を得た優越感に溺れた「僕」は死体を見つける行為にのめりこんでいくが…? 偶然が偶然を呼び、不幸に魅入られた者たちは巡り合う。そして、彼らが抱く行き場のない孤独は哀しく連鎖していき――。「僕は君を殺せない」の著者が贈る、サスペンス連作短編集。 【目次】黒い糸/白い檻/灰の箱/牢獄/天国

目次

黒い糸
白い檻
灰の箱
牢獄
天国

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

34
ある日の帰り道、自分の指に絡まる黒い糸に気づいたオカルトに憧れる小学生の「僕」。偶然が偶然を呼び、不幸に魅入られた者たちが巡り合い連鎖していく連作短編集。死体に導く黒い糸や、身寄りをなくした少年が身を寄せた白い檻、田舎にある古い家にあった灰色の箱、死んだ男が見出した光の窓、現実に絶望する少女の密かな望み。不思議な力に魅入られて人生を狂わせてゆく哀しい登場人物たちでしたけど、徐々にそれぞれの話が繋がり構図が明らかになってゆく展開の妙と、複雑な想いを抱かせてしまうその結末はとてもこの物語らしくて印象的でした。2018/03/13

ゆんこ姐さん@文豪かぶれなう

29
そういえば読んでなかった。なんとなく、初期の乙一を想起させる書き方、そして内容だなぁと感じた。脈絡のない短編集かと思いきや、最後に向かって微妙に繋がっていくのはなかなか面白い。薄くて、しかも短編連作集ということで読みやすかったし、内容もなかなか捻られてたかなと。2018/06/16

のりすけ

21
連作短編。この作家さん、文章はそこまでうまくないんですが、そのうまく無さが良い方向に作用してると思うんです。でもいまいちブレイクしなかったのか、あまりお名前を聞かない。最近また新作を出されたようですが、この手の雰囲気ホラーは読み手を選ぶのかしらん。「お前、お前やったんかい」な関係性、好きですよ。2021/07/31

かおすけ

16
連作短編集。死体へと導く黒い糸に魅了された少年。兄を殺した母が逮捕され、ある施設に預けられた少年。姉と母を失い、一人で生きていく決心をした青年。死後の暗闇の世界で光を求めた青年。地下室で〝悪い生き物〟に出会った少女。各話の主人公たちの願いが本当に切なくて悲しかったです。少しずつ重なり合っているそれぞれの人生があまりにもつらかった。それでも長谷川夕さんの描く世界が好きだと改めて思いました。2018/03/21

た〜

15
ですます調の口語な地の文は慣れるまでは読むのに苦労した。各話ごとに主人公は別人だけれど、語りの口調に変化がないのはいかがなものだろう。サイコパスとしての怖さはなかなかだけれど、連作である意義はあまり感じない。最終話で各話を纏めてはいるけれどあまり綺麗に繋がった感はないかな。完全に独立した短編集でも良かった気がする2018/02/27

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