内容説明
都心から私鉄で1時間あまり、小さな駅前の商店街は、そばにある八起稲荷神社にちなみ、八起商店街という。「七転び八起き、九難を払う」ご利益が伝えられ、この街を歩くだけでもいいことがあるように思える。本書はこの商店街で起こる悲喜こもごものできごとを描いた連作短編集だ。小姑に意地悪されたお嫁さん、ケガでスポーツ特待生を外された高校生、借金苦から死のうとする経営者、顔にあざがある娘の将来を憂う父親……、誰もが人には言えぬ苦しみがある。誰にも語らず、頑張っている――。そんな哀しみや苦しみを抱えた人たちに起こる心あたたまる奇跡とは。月刊誌『PHP』100万の読者が涙した好評連載を書籍化。読めば5分で感涙必至。いま、ちょっと苦しんでいる、ものごとがうまくいかないあなたの心に、あたたかな春風を吹き込みます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とろこ
50
「涙があふれて止まらない」どころか、一粒も流れ落ちてこなかった。が、この商店街に住む人々が、皆、訳ありながらも心優しく、互いのことを思いやっている光景には心癒された。現実の社会が殺伐としているほど、人は、このような物語を求めるのかもしれない。(現実では、そんなにうまくいかないよ)と思いながらも、登場人物たちが、皆それぞれの幸せを見つけられたことにホッとした。疲れている時や、難しいことを考えたくない時に、ほっこりさせてくれるような本だった。2017/08/18
ムーミン
15
「傷がついたリンゴのほうが美味いんだな。傷がつくとな、リンゴは自らその傷を治そうとする。それも、早く、早く治そうってな。するとな、なぜだかわからんがな、リンゴの糖度がグッと上がるんじゃ。」「見てくれだけ良いリンゴと、見てくれは悪いけど、中身は美味い。マサルはどっちのリンゴをたべたいかな」2018/01/26
デジ姫
14
人みな優しい心を持っているだろうに最近のニュースは耳を塞ぎたくなるようなことばかり。そういう私も般若の心が増えてきた。涙が止まらないほどではなかったけど、読み進めるごとに刺が溶けていくようなお話ばかり。2017/07/26
座敷童
9
人の冷たさ、繋がりのなさが多く聞かれるこの時代。古き良き人の繋がりが残る商店街のお話。 一見、幸せそうに見える人もやはり何かを抱えている。だからこそ優しさを持てるのだろう。2021/08/21
ポメ子
7
架空の八起稲荷商店街の人々がそれぞれの持つ悩みを克服していく物語。 ほっこりとした気持ちになりました。2020/04/24
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