- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
岩手県大槌町の小畑幸子さんは、2011年の東日本大震災で一人息子を失いました。息子の捜索中のケガが原因で、夫も亡くなります。幸子さん自身も、乳がんを患ったり、骨折をしたりと、たいへんなことばかりが続きます。支えになったのは、心の中にあるものを、短歌という形にして表現すること。そして、飼い犬、太刀(たち)の存在でした。悲しい体験にもめげることなく、前を向いて暮らす幸子さんの姿に、勇気づけられます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
木漏れ日の下
9
岩手県に住む小畑幸子さんは東日本大震災で息子さんと夫を亡くされました。幸子さん自身も乳ガンや大ケガをされたり大変なことが続きます。そんな彼女の支えとなった愛犬「太刀(たち)」太刀との出会いや思い出をふりかえりながらご家族との睦まじい様子が伝わってきます。この本を書かれるのに茂市さんが何度も小畑さんの元へ行かれたんだろう事、たくさんの資料に丁寧に目を通されたんだろうことが伝わってきました。書かれてることは小畑さんに降りかかった困難や辛い事なのに太刀君の賢くて可愛い思い出が混じるせいか、温かく感じました。 2018/03/28
かもちゃん
2
東日本大震災で夫と息子を亡くし、自身にも次々とふりかかってくる災難。心が折れてしまっても当たり前な状況の中で、前向きに生きようとしている幸子さんに励まされました。残された愛犬太刀との暮らしを守っていきたいとの思いが、ひとつの原動力だったと思いますが、周囲の人の支えも地味に光ってると思いました。震災関連本としてだけでなく、心からの思いを短歌に込めること、愛犬との暮らしと看取りなど様々な視点で、読む人の心をとらえるノンフィクションだと思います。2018/04/17
航輝
1
図書館本 東日本大震災を経験し息子を亡くした親と一緒に暮らす犬の物語 日常の中に犬と家族の絆の強さが表れる 小畑さん一家は色んなことが次々起こるなかでも諦めずに前を向いて進んでいた ノンフィクション2021/03/21
くま美
1
茂市久美子さんの本なので、気になり読んでみました。東日本大震災の辛い経験を愛犬と乗り越えた幸子さんの強さに感動します。ぜひ、子どもにすすめたい。2019/01/25
ミノムシlove
0
以前に読了。太刀ちゃんの大きな力を活字越しに感じる。犬が出てくる本はもれなく涙が出て困ります。写真に映る太刀ちゃんのフードボウルがかわいい。全面に犬の顔、背面に尻尾が描いてある。それだけで大切にされてたんだなあ、慈しんでいらしたんだなあと思える。