文春文庫<br> トリダシ

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文春文庫
トリダシ

  • 著者名:本城雅人
  • 価格 ¥896(本体¥815)
  • 文藝春秋(2018/04発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167910488

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内容説明

「とりあえずニュースを出せ」
東西スポーツで、スクープを連発し異彩を放つ一匹狼の野球面デスク・鳥飼義伸。

異常ともいえるほどスクープに飢えたその姿勢、編集局長から新人まで関係なく叱り飛ばす尊大な態度……。
周囲の人たちは、彼の口癖にひっかけて軽蔑と畏敬の念を込めて「トリダシ」と呼ぶ――。

各球団の人事情報にまで口をだし「影のGM(ゼネラルマネージャー)」と呼ばれ、他紙から恐れられる存在のトリダシは、「なぜ、彼はそこまで〈スポーツ新聞〉、そして〈スクープ〉にこだわり続けるのか?
トリダシには、以前、上司に煙たがられ、一般紙の社会部に転属した過去があった。

上からは煙たがられ、下からは恐れられるトリダシとは、いったい何者なのか。
そして、トリダシは、なぜ選手や監督の信頼を勝ち取り、かつ安心して口を開かせて、スクープを取りつづけることができるのか。

女性部下、元野球選手の記者、ライバル紙のエース、球団関係者、一般紙時代の過去を知る同僚、デスクなどの視点から、トリダシの実像とともに、丁々発止の知られざるスポーツ記者の世界の裏を炙り出していく連作短編集。

『ノーバディノウズ』でサムライジャパン野球文学賞、『サイレントステップ』で馬事文化賞候補と、玄人筋から絶賛される本城雅人が、満を持して自らの職業だったスポーツ記者ものに挑んだ勝負作。

横山秀夫氏も絶賛!
「この作者は巧みな投手だ。球筋の読めない心理戦に翻弄された。」

解説・内田剛

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

雲隠れひろ吉

47
スポーツ新聞(今回は野球担当)の記者たちの熱き戦いの現場を知ることができました。上司・同僚・部下・取材先の選手、あらゆる人物との駆け引きなどが描かれていて、能力・体力・勘の鋭さ等々…多くを兼ね備えていなければ、記者のお仕事は務まらないですね。裏取りも重要不可欠。『とりあえずニュースを出せ』が口癖の鳥飼さん=トリダシ。優秀なぶん敵も多いし疎まれたりするけど、最後には鳥飼さんと共に記事を出したくなる…それだけ魅力ある人物なんです。スクープを勝ち取った笠原さん、女性記者の奮闘も良くて。また本城先生を読みたいです2018/12/03

matsu04

26
スポーツ新聞・野球担当の敏腕デスクと記者たちを描いた連作7篇。スクープ合戦がリアルで迫力満点。面白い。そして上手い。ラストは思わず目頭が熱くなる。2020/01/24

ドリル

21
★★★2021/04/13

Fondsaule

20
★★★★☆「スクープ」「コーチ人事」「勝ち投手」「裏取り」「報復死球」「三勝三敗」「逆転」7話からなる連作短編集。スポーツ新聞記者の抜きつ抜かれつの世界はかなり昭和な感じ。真剣勝負のようであっても、裏の取引があって、そこがまた面白い。2018/07/20

すみけん

17
スポーツ新聞社内の人間模様やエピソードはもちろんだが、プロ野球好きの私にとっては、それぞれの短編に登場する架空の球団や選手を現存する球団、選手と置き換えられるので、楽しい。こういう視点でのリアルな小説は読んだことがなかったので、二重に楽しめた。2018/06/18

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