王様に恋した魔女

著者名：柏葉幸子【作】/佐竹美保【絵】

講談社（2018/04発売）

• ISBN：9784062202527

内容説明

舞台となる世界には、いくつもの国々があり、ときにお互いに争っていました。その世界には魔女もいて、魔女は忌み恐れられながらも、王様とともに国を守ることもありました。人々から追われながらも、国を守る。そんな魔女達の短編集です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[mocha]

国が戦に勝てるよう、城住まいをする魔女を“杖殿”と呼ぶ。一方で他国に助力されぬよう厳しい魔女狩りが行われ、魔女たちはひっそりと隠れ住む。そんな時代の魔女たちを描く短編集。佐竹さんの表紙とタイトルは女の子受けしそうだけど、表現が少し難しいかな？というのが最初の数篇の印象。だんだんと読みやすいおとぎ話になっていくような…と思ったら、10年以上に渡り書き溜められたものらしい。派手な魔法はないけれど、とても素敵な“女性たち”の物語だった。

2017/10/01

[はる]

様々な魔女たちを描いた短編集。一つ一つの話は短いけれど、思ったよりも壮大な世界観。どの話もひねりが効いていて面白い。シリアスで落ち着いた雰囲気なので大人でも十分楽しめます。佐竹さんの挿絵も壮大なファンタジー小説のようで異世界気分に浸れました。切ないストーリーが多かったけれど、竜の卵と魔女のはなしはほのぼのとして良かったです。

2017/03/04

[ひらちゃん]

児童書なのだけどこの文章の美しさに感銘を受けるのは児童ばかりでないはず。朝霧の国、竜巻の姫、糸杉の城…。魔女の話しに調和のとれた国や名前。国王に仕える魔女は杖殿。これまた素敵な響き。佐竹さんの挿し絵もどこか懐かしい気持ちになる。本の好きな子に是非手に取って貰いたい。この本は手元に置きたいな。

2017/03/26

[anne＠灯れ松明の火]

図書館HP新着チェックで予約。長編かと思ったら、さまざまな魔女が登場する短編集だった。時折、同じ魔女が顔を出すこともあるが、独立した話だと思う。魔女狩りが行われ、家族から裏切られる魔女もいれば、大切に守られ、愛される魔女もいる。切なく哀しい話もあれば、ほのぼのとした優しい話もある。そして、魔女を追う者にも理由がある。ページ数は少ないが、読み応えのある作品だった。柏葉さんの紡ぐファンタジックな世界を、佐竹さんが見事に描き出している。

2016/10/24

[ベーグルグル （感想、本登録のみ）]

魔女の１０篇の物語。本の登録をした時に読まれた方からお勧めをいただきましたが、とっても中身の濃い好みの本でした。佐竹美保さんの挿絵もとてもピッタリ。微妙にお話が繋がっている所がまたより想像力を豊かにしてくれました。

2018/12/25