内容説明
優雅なる脱線、冴えわたる悪口
金井ファン待望、痛快痛烈な最新小説
趣味は手紙を書くこと。
「手紙の吸血鬼」と化したアキコさんが
お勝手の話題を書きに書きまくった手紙、その数50通。
料理、裁縫、映画、イヤな男等々・・・・・・。
名手の文章が存分に味わえる、贅沢な書簡小説。
ちらし寿司製作騒動、不二家のフランスキャラメル、”萌え”について、
新聞の幼稚な投書について、パジャマの好み、歌謡曲の歌詞について・・・・・・
ついつい、お喋りの長くなるアキコさん。
もちろん、著者ならではの小説的企みや、映画や小説の話題(レヴュー)も満載です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
63
日常の気づきを、非日常とするかのような手紙綴り。回想と老いで描く時間の流れ。最後の手紙に込められた思い。延々続く少々陰湿な”空気”が玉に瑕も、時代を反映した文芸評も興味深い。加えて、著者の遊び心を感じる様々な言葉。カラス爪、手すさび・・・、オチは、扇大臣の”文字”。(笑)表題も一考の価値あり。弓道における右手が語源の「勝手」。武家故に下女たちの戦場とすれば、本著の陰の主役は、頻繁に登場する家政婦さんたちだったりして?!2017/10/01
おかむら
31
著者初読み。なんか難しそうかと思って敬遠してた。が、面白かったー。手紙魔アキコさんの手紙小説集。このアキコおばあさんがまあ性格悪いことよ。毒舌吐く吐く。お友達も怒らせる怒らせる。おハイソなインテリばあさんなので映画とか文学とか高尚な話題んとこはよくわかんなかったけど、かなーりイケズだわ。オカシイわ。村上春樹のこと、ここまで言って許されるのはアキコさんだけでは。でもスカッとするわ。ラストもびっくり。そうだったのかー。2015/01/12
フリウリ
29
いわゆる書簡文学だが、アキコさんからの複数の相手に対する手紙だけで成り立つ、というアイデア。皮肉屋のアキコさんは、自分の手紙をコピーして前回の手紙からのつながりを考えたり、相手と電話で話した内容を「再録」したり、共通のエピソードをわざわざ説明したりする。それはつまり、何も知らない「読者」を想定して手紙が書かれているということで、そのほのめかしもあり、ここに書かれているものはいったい何なのか、謎めいている。このわかりにくさがすばらしい。だれもが読んでわかってイイね!という物語が疑わしいわたしにとっては。92026/01/08
松風
26
彼女の悪口は、既存の権威や通念に寄りかからないから、さわやかなのだろう。アンチ意識高い系。でも隠しきれないお育ちの良さと教養と優しさ。2015/11/14
sasa-kuma
20
手紙好きで毒舌な60代女性アキコさんの手紙が延々に続く小説。返事の手紙はないのだけれど、アキコさんの手紙が饒舌なので返事の内容もわかっちゃうのね。手紙の中でアキコさんはまったく悪気はないのだろうけれど(ちょっとはあるのか?)、相手は腹立つだろうなと思える表現がしばしば。そこがこの本の面白さであるのですが、手紙を書く自分に照らし合わせると冷や汗が。だってね、手紙って手元を離れてしまったらフォローのしようがないものね。投函する前にみっちり見直さないとね。年齢を重ねた女性たちの友情の在り方が鮮やか。2015/02/16




