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内容説明
人口減、産業の衰退などにより危機に直面した日本が取った選択は、完全無欠のコンピューターによって政策を決めることだった。「同業者は同じ場所にすむこと」「無職の禁止」。びっくりの施策の数々に翻弄されるロックミュージシャンの恋の行方は? 自由に生きるか。そこそこで満足するか。人間存在の根幹に迫る近未来SF儒学!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
54
過去の名著を漫画で描くシリーズとかで、読売新聞の書評にも出ていた本書を読んでみた。なんと近未来SF設定。荻生徂徠もびっくりだろう。でも、分かりやすく、今の問題として捉えるには成功しているのかもしれない。荻生徂徠って、こんなに、人の事や社会の事を理解し、理論を展開していたんだ。2018/05/23
小木ハム
18
人間は少なからず過ちを犯すものだから、統治はAIに任せた方がいい、という意見がある。本書は萩生徂徠の『政談』を元にAIが政治を行うとどうなるかをシミュレートした漫画。政策ひとつひとつに賛成の立場、反対の立場の人が描かれているのが機会平等で良いと思いました。統治によって音楽で社会に訴える必要性がなくなり、結果としてミュージシャンを目指す主人公たちが分裂したのは皮肉。安定を望む人には住みやすい世の中に、夢(表現者や挑戦者?)を目指す人には厳しい世の中になる。ちょこちょこ出てくる有名人が結構似てます笑。2021/09/19
ごへいもち
13
面白かった2024/07/07
kenitirokikuti
12
イーストプレスから出てる名著の漫画化シリーズ『まんがで読破』そっくりなのだけど、同じチームが手がけているそうな(Teamバンミカス)。同チームは『歴史秘話ヒストリア』などにも関わる、と▲本書はかなり変な翻案で、2055年に日本政府は突然AI「SORAI」による統治を始めた。データセンターみたいなところに忍び込んで「これがSORAIの脳みそだ…」。黒幕たち「俺たちは徂徠派なので『政談』しか使ってない」「なんだってー?」。10年後に国民投票でAI「SORAI」統治の存続か否かを決定することになった。おわり。2018/04/20
dou
9
荻生徂徠の考えを完璧にダウンロードした人口知能「SORAI」が専制政治を行う、というSF作品。荻生徂徠の考えは、国益を第一に据えられる。無職を禁じたり、住居を同じ業界の人達で固めたり、投資増税と生産業減税など結構思いきった政策ばかり。要は国家の「安定」を最優先するものである。しかしそれで、新たなイノベーションは起こせるのだろうか。安定>発展が幸せ?企業間の不毛な争いを避けようとするは納得だが、競争こそより良い社会の為に必要なのでは?とも思う。2019/05/30