朝日新書<br> 人口減少と鉄道

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朝日新書
人口減少と鉄道

  • 著者名:石井幸孝【著者】
  • 価格 ¥799(本体¥727)
  • 朝日新聞出版(2018/03発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784022737601

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内容説明

人口減少で日本の鉄道は危機を迎える。2050年にはJR東海ですら利益が出なくなる。早くから人口減に見舞われながら、豪華列車や外国客誘致、多角化で右肩上がりを続けるJR九州の初代社長が、成功事例を踏まえつつ、これからの鉄道再生の方策を語る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hatayan

41
JR九州の初代社長の鉄道論。JRの前身の国鉄は1964年の東海道新幹線の開業の年から赤字に転落、変化への対応を怠ったため自動車や飛行機に客を奪われ20年後に解体されました。JR九州は不動産・建設・外食などの子会社が本業である鉄道部門の赤字をカバー。厳しい環境ながらも上場にこぎ着けた実績は人口減少に転じた現代に参考にしうると自己評価します。著者独自の試案として、列車本数に余裕のある整備新幹線を物流の動脈として活用できないか力説。あえて列車を走らせてこなかった夜間でも貨物列車を通すことは可能と試算します。2020/10/04

きいち

27
鉄道本と手にとったがこれは経営本だ。特に、新幹線開通の年に赤字に転落してその後二度と浮上できなかった旧国鉄の末期の記述。当事者として課題を引き受けリカバリを主導した著者ならでは。僕は94年から約10年福岡にいたが、JR九州の変わり方にはよく驚かされてたので尚更おもしろかった。◇人口減少期を迎え構造的に難しい状況に陥っているのに、相対的に小さな成功に注目してしまって根っ子の課題に気付く人がいても手を打つ方向に向かわない、組織も、自分も含めた中の個人も、ほっといたらそうなる、ということを前提にして働かないと。2018/05/22

onasu

20
鉄道のこれからを考える時、JR旅客6社の損益が人口密度に比例しているとは当然ですが、今後の人口減少社会では、それが一様に悪化すると図示されているのは見事でした。  著者はJR九州創業時の社長で、同社は分割時に減員したとは言え、空港や高速道開業による客離れに抗して多角化を進めて利益を確保、29年目にして上場を果たした。  しかし、今後旅客で増益が見込めないのは各社同様で、打開策としては新幹線による貨物輸送を提唱されている。また、JR北海道、四国の他、他国の鉄道事情に頁を割かれているのも、いいバランスでした。2018/06/08

Francis

18
前日に買って一日で読了。梅原淳「JR崩壊」の最後に石井さんのインタビューが載っていて感銘を受けたので購入。これから日本が本格的に直面する人口減少の時代に鉄道はどうあるべきか、JR九州社長の経験を踏まえて論じている。新幹線を貨物・荷物輸送に用いる「新幹線物流」のアイデアや国鉄はなぜ失敗したか、そしてJR九州はどうして上場できるまでに経営を立て直すことが出来たか、などを論ずる文章に鉄道に賭ける石井さんの熱い思いが伝わってくる。末尾に掲載されている法政大学での講演は実際に聞いてみたかった。2018/03/15

kenitirokikuti

12
著者はJR九州の初代代表取締役社長(2002年に退任)▲1985.11.29 国電同時多発ゲリラ事件。〈ほとんどの国電区間の信号、通信ケーブルが破壊されていた〉▲60年代末からの「生産性向上運動」は、〈趣旨から離れて、非協力的組合からの脱退促進運動のように展開〉▲1975年「スト権スト」。貨物運送が止まり、国電貨物離れが加速する▲▲中国の「一帯一路」は、広軌のシベ鉄と狭軌の東南アジア(日本含む)に対して、欧州の標準軌(1435mm)で中国を結ぶもの。その本線から港へ標準軌の支線が走るのが海路の本質。2018/03/10

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