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内容説明
私はこれまで四十年ほどの間、結婚・家族のことなどを研究してきたが、最近になって一つの思いが強くなってきた。結婚とは本来限られた男性が行なうことであり、仮に結婚できたとしても、家庭の実質的な権力者は妻になることが多いのではないか――。(「はじめに」より) ほとんどの男性が結婚でき、一家の長として権威を持っていた時代に比べ、現代日本では男性は結婚してもしなくても孤独である。生涯独身男性の増加、家庭内での父親の地位低下、草食男子……。こうした変化を嘆く向きも多いが、著者は「明治から戦前までの約100年の方がむしろ『異常な時代』であり、本来は『平凡な男』の存在意義は小さいのである」と一刀両断する。男性、とくに「平凡な男」はそもそも「余剰な存在」だった――。広範にわたる各種データや家族史、サル学などから導き出されたこの衝撃の真実を、我々は受け入れなければならない。格差論の第一人者が正面から男性という存在に斬りこんだ、刮目(かつもく)の1冊。 【目次より】 ●第1章 「普通の男」は父、夫になりづらい時代 ●第2章 日本の結婚・家族の歴史 ●第3章 現代における「家族のかたち」の変容 ●第4章 父親という存在の実像 ●第5章 雄のいらない動物からの示唆 ●第6章 男という存在の軽さ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まゆまゆ
11
結婚して当たり前、という価値観は明治時代の頃から始まったもので、江戸時代は武士は一夫一妻でも農家や商家では結婚していない人が多数派だった。よく言われる個人主義の台頭や女性の経済的自立によって結婚しない人々が増えているが、ここ100年の結婚第一主義の方が歴史的に異常だ……と言われても結婚と出産がセットである日本的な価値観はなかなか変えることは難しいだろうな。2018/05/07
香菜子(かなこ・Kanako)
9
男性という孤独な存在。橘木俊詔先生の著書。日本人男性が本来あるべき男性らしさ、男性としての魅力をなくしてしまったからこそ、日本で独身男性が増加し、父親は無力化したのではないでしょうか。人間だって動物の一種。動物は普通は女系社会。男性が、男性らしさ、男性としての魅力を失ったのであれば、動物社会と同じように人間社会も女性だけで回ってしまう。そんな単純な論理なのではないでしょうか。2018/06/16
紫砂茶壺
7
全体を通して考察が浅いので読むに値しない本。男性中心主義がここ百数十年だけのもので、それ以前の時代はそうではなかった、そこに先祖返りしているのではないか、ということを言いたいだけで「なぜそうなったか」の部分に一貫した主張がない。他人の論文の紹介に終始していて筆者の意見がない。男は罪深い、男は欲深い、など安藤優子が聞いたら随喜の涙を流して喜ぶに違いなさそうな男性差別的言辞が多いのも気になる。同じテーマを扱っているジャレド・ダイアモンドの方をおすすめする。2018/02/12
coldsurgeon
5
男の弱体化、身体的にも、精神的にも。なぜ独身男性が増えたのか、そして父親の存在感が低下したのか、それをデータから類推する。ほとんどの男性が結婚できる時代は、この100年間だけのことであり、異常な時代だった。その終焉が訪れようとする。父親は虚構的な存在となり、母系社会の復活が予測される。将来の日本の姿は、だれが決めるのか。国民は意識として福井国家を理想としながら、税や社会保険料の負担増加を嫌う。今の日本は、少子化をしっかりと受け止める必要がある。2018/02/11
田中峰和
4
格差は経済や資産だけでなく、婚姻関係でも存在する。雌雄が番う格差は今に始まったわけではなく、雌の独占はダーウィンの進化論でも記述される。女性を独占する不平等は、明治以降戦前までの日本でも続いた。GHQの強制による民法改正によって皆婚が浸透し、人口増加に寄与。アメリカに次ぐ経済大国となった。一億総中流意識の頃、2割の男が生涯一度も結婚しないなどと誰が想像しただろう。経済の衰退は多数の弱者を生み、近年には草食男子流行語大賞に選ばれた。草食男子は肉食女子を好んでも、肉食女子は草食男子を嫌う。日本の衰退は続く。2019/05/11
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