ちくま学芸文庫<br> 定本 葉隠〔全訳注〕上

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ちくま学芸文庫
定本 葉隠〔全訳注〕上

  • ISBN:9784480098214

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内容説明

武士のありかたを説いた教訓・箴言の名著。主君の死に際して出家隠棲していた山本常朝の草庵に、職を解かれて生きる道を見失った田代陣基が訪れたことで、『葉隠』は生まれた。陣基は常朝を武士道の師と仰ぎ、宝永七年(1710)から七年にわたる聞書が始まる。全十一聞書から成り、およそ1344項の長短の説話が収められた。上巻には、「武士道と云は死ぬ事と見付たり」を含む『葉隠』の根幹をなす聞書一・二と、常朝の教訓を裏打ちした鍋島藩の歴史・家風についての知見を語った聞書三・四を収録。新出の小山信就本を底本とした原文に、詳細な注と従来にない正確な現代語訳を付した決定。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

62
武士道の古典的名著。「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」の一節があまりにも有名なため、もっと形而上学的な哲学的な内容を想像しながら読んだのだが、実際は奉公する上での心得を説いたものが大半。ちょっと昔に流行ったサラリーマンHowtoものを何か思い出した。自分にとって葉隠に初めて触れたきっかけは隆慶一郎の『死ぬことと見つけたり』であるが、「朝毎に懈怠なく死して置くべし」や登場人物、エピソードが書かれているのを見て、懐かしく嬉しくなってくるのを覚える。身構えて読み始めたが、想像より遥かに面白く読めた一冊だった。2018/05/18

壱萬参仟縁

38
この手の本は、現代語訳を読んでから、気になったものの本文に戻る読み方がよい。武士道というものは、死ぬことと見付けた(041頁)。剣術者が老後に、「自分に不足があることを本当に知って、一生、成就したとの念(おも)いはなく、自慢の念もなく、卑下の心もないまま、終えるのである」(095頁)。できた剣術者ですな。人が難に遭った折、見舞いに行っての一言が大事なものである(132頁)。芸の才能があるのは侍の害になることと得心した時、諸芸が共に用に立つ(145頁)。2021/07/17

小島輝彦

2
読んではいるものの、 なかなか読めない。 ただ、山本常朝さんが 色々な人に意見を聞いたり、 様々なことを観察し、 深く考えを巡らしていたことは ひしひしと感じる。 難しい本ほど 今回だけと言わず、 繰り返し読んでいこう。2019/01/24

さんご

2
戦国の実践を経てきた先達によるお言葉集。武士道というよりご奉公の心得集。突き抜けちゃってる主家への忠誠を説いているところで個(私)と自分の属する集団が不分明な旧来の日本人のメンタリティはこの辺にルーツがあるのかなと思ってみたり。 後半は鍋島の殿様のエピソード集。我が殿へのリスペクトがすごい。候文は振り仮名付きで読みやすく。注釈と現代語訳はあるけどそれの意味するところは分かりかねるところもあり。以外にも面白く読めた。2017/11/16

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