内容説明
この世ならぬ存在と話ができる青年・日下慎治が怪奇現象に悩む人々のところへふらりと現れる!
人気のないプール、いつもと違う電車、使われていない教室、地下駐車場――。街の片隅にある「境界」に棲むあやかしたちに寄り添い、話を聞き、そしていつの間にか去っていく放浪の青年が秘めた過去とは――。
ストーリーを超えて絡み合う人物たちの“現在”と“過去”にあなたは気付けるか!?
『フェイスレス』『クラン』シリーズの著者が原点に立ち返った待望のホラー最新作!
目次
第一話 水の中の黒
第二話 山手六道輪廻線
第三話 漣の彼方
第四話 オール・オールライト
エピローグ――青葉のジャンクション
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Junichi Yamaguchi
34
『迷子係』… 沢村さんの側面を見た感じ。 優しいホラー⁈と言えばいいのかな⁈ 主人公の人となりをより知りたくなる物語。。2018/04/26
坂城 弥生
24
不思議な話の短編集。続きがあったら読みたい。2020/07/27
昼夜
14
優しい迷子係の慎治くんと話してみたくなりました。続編も読みたいです。2018/04/19
ぴよ子
12
ホラー連作短編。日下慎治という謎の青年が、すっと現れて奇妙な事件を解決していく。恐怖というよりは、すっと冷えていく、そんな感じで雰囲気がとても好きでした。日下慎治が謎のままなのでもっと深く読みたいなと思いました。プロローグということなので、続きが楽しみです。2018/03/15
かおすけ
11
【NetGalleyJPからのゲラ】3/5に刊行されています。スポーツクラブでの水泳の練習中に、不気味な体験をした明彦。学校を早退して山手線に乗って帰宅中に、異世界に連れて来られた祐仁。高校生のときの恐ろしい体験から、猿の相手ができなくなった獣医の則子。マンションの駐車場から出られず、住人を脅かして遊んでいる幽霊の雄飛。どの話にも登場する日下慎治。祓うわけでもなく退治するわけでもなく、異界のものである相手の存在を認め、話し相手になる。慎治のそんな優しさに救われるものたち。心温まるホラーでした。2018/04/22